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ジャーナリズム

山本太郎氏・れいわへ政権交代で「消費税廃止」「奨学金返済チャラ」を実現できる

文=林克明/ジャーナリスト
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 だが、明治維新以来つくりあげてきた基本システムも、さすがに150年たって崩れ始めている。最近注目されている年金問題、介護問題、少子化も、地域社会の崩壊も、そして国会内の既存政党も、すべてこのシステムに組み込まれている。

 現在の安倍政権は、そのような歴史的潮流にさからって、あいかわらず宗主国(現在はアメリカ)への隷属、アジア諸国への敵対行動を基本におき、富国強兵路線を続けている。

 それに真っ向から反対のノロシを揚げたのが、れいわなのだ。そこに集まってきた人々は、明治維新以降構築されてきたシステムから多かれ少なかれズレた人であり、ましてや“永田町の感覚(既成の政治体制と思想)”を持つ人はほとんどいない。

 つまり、これから政権交代が実現すれば、初めての市民政権樹立になり、明治維新以来150年ぶりの政権交代という意味を持つ。

 かつてヨーロッパで起きた市民革命とは、時代も状況も違うものの、今風の市民革命的状況には十分、なり得る。市民革命などと大げさに表現したり、専門家のように分析しなくても、かなり多くの人が、近く大きな変化が起こるかもしれないという予兆を敏感に感じ取っていることだろう。

 そう感じ取った人々が、れいわブームを起こしたのではないだろうか。そうならば、今後のれいわやその周辺の人たちの動向から目が離せない。

単なるポピュリズムなのか

 同党の躍進を評して「左派ポピュリズム」という意見も最近よく見聞きする。ネットや街頭における運動スタイルや、大衆受けする政策に対する評価だが、少し違うのではないか。そう私が思ったのは、ある市民運動家から受け取ったメールを読んでからだ。

 そのメールは「多くの識者が、れいわをポピュリズムと指摘していますが、私は違うと思います。山本太郎さんたちの主張と行動の根底には、人間愛があるのではないでしょうか」という趣旨だった。

 確かに、「生きていていいんだよ、生きてください」と、生きづらさを抱える人々に切々と訴える姿から、人間というものを信じているのだなと感じる。その点を指して、このメール発信者は「人間愛」という表現をしたのだろう。

 人間愛という言葉が大げさなら、「人を大切にする姿勢」と表現してもいい。人間愛というものを真剣に考えれば、実に高度な理想・真理であり、極めて抽象的でもある。

 その崇高な理想と心理を落としこんだのが、「消費税廃止」「全国一律最低賃金1500円」「奨学金返済チャラ」などの、誰にでもわかる、俗っぽくシンプルで具体的な政策ではないのか。

 これらの政策を受けて、「人間愛って、“ばら撒き政策”のことですか?」「社会変革という立派な理念をいうが、結局は下世話なカネなのか?」といった批判をする人も出てくると考えられる。しかし、高度な理想や理念を、生活者の言葉に置き換えて行動に移すときに、爆発的な力が生まれるのだ。

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