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京アニ被害者、なぜフジテレビは「天才」を「アホ」と誤報したのか?思考停止軍団の実態

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取材に応じる、武本さんの高校時代の同級生Aさん

 

 京都アニメーション放火事件をめぐり8月4日、フジテレビが、犠牲となった武本康弘監督(同社取締役)を悼む同窓生の「あんな天才いません」という発言を紹介する際、誤って字幕に「あんなアホいない」と書かれたテロップを流した。この信じられない誤報道は、なぜ起きたのか――。

 8月4日の日曜日、猛暑のなか、久しぶりに伏見区の京アニの社員らを悼む献花台を大型バイクで訪れた。献花を終えた人を報道陣が囲んで「ゆかり話」を聞く恒例の風景。ちょっと重要そうな人に見えたので、筆者も混じって話を聞いた。偶然、『らき・すた』『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』『氷菓』などの作品で知られ、47歳で命を絶たれた武本さんの兵庫県西部の高校時代の同級生Aさん(47/男性)だった。

 Aさんは武本さんと同級生というだけでなく、「文芸部」という高校の部活でも一緒だった。直後にも報道で知って献花に訪れていたが、2日に京都府警が正式に武本さんの名前を発表したので2週間ぶりに来たという。「葬儀も終わってしまっていて、ここしか気持ちを表せる場所がないんですよ」とAさんは話していた。

 あの日、ニュースで京アニが火事だと知った。「やばい」。Aさんは慌てて武本さんの携帯に電話をかけたがつながらない。メールを送っても返事はなかった。「ニュース見た、大丈夫ですか?」「地元のみんなが心配しています」「お願いです。一報ください」などと祈るように伝えたスマホの画面も見せてくれた。「よく東京に出張してるから、今回もそうであってほしい、と願いながら必死でメールしたんです。でも……」とうつむく。

 卒業後も文芸部OBは、毎年正月などに集まっていた。今年も最後に会ったのが赤穂市での正月の集いだった。Aさんは、武本さんの高校時代からの年賀状や、武本さんがさらっと描いてくれたアニメ主人公のような絵も大切に持っていた。それらを撮影はしない条件で報道陣に見せてくれた。賀状の一つには、「大好評」という言葉をロゴにしたものが並べられるデザインのものがあった。「ほらっ、このセンス、すごいでしょ。絶対にできませんよ」とAさんは興奮気味に話していた。

「タケチンは当時、いのまたむつみ(1960年生まれ。漫画家、イラストレーター)さんの作品が好きだった。憧れていましたね」などと話したAさんは、「タケチンは僕らとは全然違う、もう天才でした。周囲の人間が嫌になってしまうほどの才能でした」と武本さんの高校時代からの天才ぶりを盛んに強調した。Aさんはそんな武本さんを間近に見て「あんな天才がいるんでは、自分なんかとても無理」だと思ってアニメの世界で働くことは考えなかったという。「僕らの出世頭でしたよ。誇りでした」などと話して帰っていった。

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