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HIS、ユニゾHDへ敵対的TOB…みずほFG、対抗的TOBとの観測も

文=編集部

【続報】

 ユニゾホールディングスの買収合戦からエイチ・アイ・エス(HIS)が撤退した。8月23日にTOB(株式公開買い付け)を終了したが、応募はゼロだった。HISが7月にTOBを開始して以来、株価がTOB価格(3100円)をずっと上回っていたのだから、応募ゼロは当然の帰結である。

 HISはTOB価格を引き上げることなく、TOB終了まで傍観していた、といっていい。「TOBに対する本気度が疑われる」(M&Aに詳しいアナリスト)との厳しい指摘もある。

 一方、ソフトバンクグループ系の米フォートレス・インベストメント・グループが“白馬の騎士”(ホワイトナイト)となり、8月19日に対抗TOBを開始した。フォートレスのTOB価格は4000円である。

 ユニゾHDの株価は8月23日の終値で4335円(60円高)をつけた。年初来高値は8月21日の4490円である。

 HISがTOBを発表する前から株価は2倍になった。ユニゾHDの取締役会が友好的買収と認めるフォートレスも、このままの株高が続けば、TOBの応募の下限としている66.7%の取得には、とても達せず、TOBが不成立に終わる懸念が出ている。フォートレスは価格を引き上げるのであろうか。

 フォートレスとは別の外国&国内の投資ファンドが買収提案をする可能性もゼロではない。「ユニゾHDの保有資産の含み益を考慮すると、株価が7000円をつけてもおかしくない」(国内中堅証券会社)といった超強気の見方さえ台頭している。

HISが持ち株を売れば30億円の利益

 TOBに失敗したHISは現在5%弱のユニゾHD株を保有している。HISのユニゾHD株の取得価格は平均で1000円台とみられている。仮にフォートレスのTOBに応じて持ち株を売却すれば「30億円前後の売却益が見込める」(同)。8月23日の終値で売っていればもっと売却益は膨らんだことになる。転んでもタダでは起きないHISの澤田秀雄社長がどう出るかも注目点だ。

 ユニゾHDの不動産の含み益に注目した米投資会社、エリオット・マネジメントや国内系のいちごアセットマネジメントがユニゾHD株を買い増したため株価は急騰した。

 エリオットが10%弱、いちごアセットが7%弱のユニゾHD株を保有している。2社はさらに買い増すのか。買い増さなくても、フォートレスや新しいM&Aの買い本尊のTOBに応ぜず、持ち株を売らないとすると、TOBの成立はより困難になる。

 不動産(投機)市場では、次のような思惑(期待)が語られている。

「フォートレスはユニゾHDが東京駅八重洲口に持つユニゾ常和ビル(土地だけで3300平方メートル)を以前から狙っていた。ホワイトナイトの要請はフォートレスにとっては渡りに船だった」

 ユニゾHDの「実質1株当たり純資産は7200円余り」と不動産関係者は試算している。ユニゾ常和ビルの敷地に超高層ビルを建てる計画が進行中だとも。ユニゾHD株の争奪戦は東京駅前の一等地を「時価より安く買う権利」を手に入れるための前哨戦と位置づけられている。不動産の含み益が潤沢な企業は、往々にして収益力が低い。ユニゾHDも「持てるものを生かして切れていない企業の典型」と呼ばれてきた。

次の標的はフジ・メディア・ホールディングス

 土地持ち企業が覚醒する絶好のチャンスなのかもしれない。「次のターゲットはフジ・メディア・ホールディングス」(首都圏の不動産に詳しいアナリスト)。同社の不動産の保有価値は2400億円強。フジ・メディアの時価総額は3100億円だから、仕掛けてみてもおもしろい。フジ・メディアのPBR(企業の解散価値。株価純資産倍率)は0.4%台。解散価値を大きく下回っている。

 しかも株主総会での宮内正喜会長の支持率は60.63%。他の取締役も60%台が4人、55.63%という極端に低い人もいる。多くの株主が経営陣に不満を強く持っているということを表している。

 ROE(自己資本利益率)は5%を下回る水準が長らく続いている。物言う株主がフジ・メディアに登場するのは時間の問題かもしれない。経営の刷新と収益改善が実現しなければフジ・メディアにTOBの爆弾が炸裂する。ホリエモンがフジ・メディアに“乗っ取り”を仕掛けて莫大な利益を得たことが憶い出される。

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