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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

香港動乱、政府が“禁じ手”でデモ隊へ攻撃過激化…中国が介入準備、危険地帯化も

文=相馬勝/ジャーナリスト
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中国、香港との境界に向け部隊展開

 この裏には、ケリー長官ら香港指導部に対する習近平指導部の圧力が強まっていることがある。中国政府で香港問題を担当する香港マカオ事務弁公室スポークスマンは12日、記者会見し、香港の混乱状態について、「過激なデモ参加者が警官を攻撃しており、重大な犯罪だ。暴力犯罪は情け容赦なく打ち負かさなければならない」と述べるとともに、香港の状況は「重要なヤマ場を迎えた」と指摘し「秩序の回復が最も差し迫った任務だ」と強調。場合によっては軍の導入も辞さない姿勢を示している。

 さらに中国メディアも、武警部隊が大規模訓練のため、香港に隣接する広東省深セン市に集結していると伝えた。トランプ米大統領も13日、これを裏付けるように、ツイッターで「米情報機関によると、中国は香港との境界に向け部隊を展開している」と指摘。「香港は現在、最もタフで、トリッキーな状態にある」との懸念を示すなど、デモ制圧に部隊投入も辞さない姿勢を見せる習指導部を強くけん制した。米大統領が情報機関の情報として、中国軍の集結を明らかにするのは極めて異例だけに、事態が相当緊迫していることは想像にかたくない。

 英国統治下の香港で最後の総督を務めたクリス・パッテン氏は13日、抗議デモが続く香港に「中国が介入すれば大惨事になる」と警告。ケリー長官も「香港ではすでに非常に危険な状況にある」と指摘するなど、タイムリミットは刻一刻と迫っているようだ。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)

 

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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