クールジャパン機構、累積赤字179億円、成果乏しく存在意義薄く…米国企業にも出資

クールジャパン機構が所在する六本木ヒルズ森タワー(「wikipedia」より/Rs1421)

 

 巨額損失を出している官民ファンド、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は投資にブレーキをかけるつもりはないようだ。アクセルを踏み続ける。4月以降の投資案件は次の通り。

・若い世代に人気のインフルエンサーを使ったマーケティング活動を支援するシンガポールのスタートアップ、クローゼットに11億円出資。海外目線で日本の観光地や食文化の魅力をSNS(交流サイト)で発信してもらう。

・NTTと吉本興業が共同で始める教育向け動画配信事業、ラフ・アンド・ピース・マザー(那覇市)に最大で100億円を出資する。アジアを中心に海外進出を狙う。

・中国でワインなど酒類卸売業を手がけるトリオを22億円で買収。全国の酒造会社がトリオの流通網を活用しながら中国に日本酒を売り込む。トリオは香港に本社を置く。

・スマホゲーム開発のワンダープラネット(名古屋市)に最大10億円を出資。海外での配信を強化する。

・衣料生産仲介のシタテル(熊本市)に10億円出資。日本の無名デザイナーや小規模のブランドが海外で販売できる環境を整える。

米国企業にも出資

 クールジャパン機構は、日本の食文化やエンターテインメントの海外進出を後押しすべく2013年に発足した。所轄は経済産業省で出資金は693億円、政府出資は586億円、民間出資は107億円。ANAホールディングス、電通などが出資した。フジ・メディア・ホールディングス出身の飯島一暢氏、百貨店の松屋出身の太田伸之氏らを経営陣に招き、18年3月末までに29件、計620億円を投資した。

 象徴的なのがマレーシア首都のクアラルンプールで三越伊勢丹ホールディングスと和食や物産に焦点を当てて開業した「ジャパン・ストア」。太田氏の肝煎りだったが、韓国産のお酒やディズニーキャラクターの商品を並べるなど迷走。客が集まらず閑古鳥が鳴き、批判を浴びた。投資案件はことごとく失敗に帰し、18年3月期までに損失は累計97億円に膨らんだ。18年6月の株主総会で経営陣が交代した。元ソニー・ミュージックエンタテインメント元CEOの北川直樹氏がCEOに、元ペルミラ・アドバイザーズ日本法人社長の加藤有治氏がCOO兼CIOに就任。

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