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朝5時~夜9時まで働き詰め、過労死も…自販機、ルートドライバーの超ブラック労働

文=A4studio
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「業界の給与形態の特徴として、固定残業代制や歩合制などがあります。固定残業代制は一定の残業代をあらかじめ制定するものですが、これを定めているのをいいことに、企業側が労働時間管理をわざとあいまいにするといった問題が生まれています。つまり一定の残業代を支払うことを先に取り決めておくことで、その上限までドライバーたちに残業をさせるのは当たり前で、その上限の残業時間を超えて残業をしていても、追加の残業代が支払われていないというケースも多々あるのです。

 一方、歩合制の場合、基本給にこなした業務の分を上乗せするかたちになるため一見良心的に思えますが、そもそも基本給が月十数万円と低く設定されているため、ドライバーたちは最低限の生活費を稼ぐために、結果的に長時間働くことを余儀なくされているケースがほとんどなのです」(同)

 池田氏の話によれば最低賃金での雇用などが一般化し、さらに月100時間を超える残業も恒常化しているそうだ。これではブラック業界といわれても仕方ないだろう。

働き方改革によって中小企業ではさらに環境悪化?

 だが当然、今の日本でそのようなブラックな運営が黙認され続ける状態はあってはならない。実際、働き方改革も相まって、各社は大きな転換期を迎えているようだ。

「働き方改革により、残業時間が原則月45時間、上限100時間となりました。これは長時間労働がデフォルトのルートドライバーを抱える企業にとっては、かなり大きな影響があります。そしてこの制度は、飲料メーカー系の業界大手企業は今年4月から、それ以外の中小企業は来年の4月から導入することになっています。大手企業ではすでに施行されており、その対策としてドライバーの労働時間軽減のため不採算の自販機を手放し、下請けの中小企業にまわすといった動きが見られています」(同)

 設置場所が悪く利用者が少ないなど、相対的に売上が少ない自販機もあり、そういった不採算自販機の存在が、ルートドライバーの作業効率の悪化を招いているという事実があるのだという。

 業界の大手企業では、そんな自社で抱えている不採算の自販機数を減らすことで、各ドライバーの負担を減らし、労働時間改善に努めているということか。しかし、それでは単に中小企業へしわ寄せがいくだけのような気もするが――。

「その通りです。中小企業側からすると大手企業は最大のクライアントとなるため、不採算の自販機とわかっていても断れないのが現状です。つまり、押し付けられて受け入れざるを得ないのです。ただでさえ近年は、量販店で安く飲み物を購入する人が増えたり、職場や学校に水筒を持参する人が増えたりしている影響で、自販機業界全体の売上が減少傾向にあるため、かなり多くの中小企業が悲鳴を上げています」(同)

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