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日本企業の買収・経営統合、外資系投資ファンドが“真の勝者”に…業績に悪影響も

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旧アルパイン本社(「Wikipedia」より)

 親会社のアルプス電気との経営統合をめぐり、上場子会社でカーナビなど車載機器のアルパインは「物言う株主」(アクティビスト)2社の介入を招いた。アクティビストには、アルパインがため込んだ内部留保を吐き出させる絶好のチャンスと映った。

 アルパインが2018年12月5日、東京都大田区雪谷大塚町のアルプス電気本社ビルで開いた臨時株主総会で、親会社のアルプス電気と経営統合する会社提案が可決された。経営統合への賛成比率は73.30%。可決に必要な3分の2をかろうじて上回った。アルパインが関東財務局に提出した臨時報告書で賛成比率が明らかになった。

 両社の統合について、アルパイン株式の9.18%を保有する香港の投資ファンド、オアシス・マネジメント・カンパニーが「株式交換比率が低すぎる」と異議を唱えた。アルパイン株1株あたり100円の配当を支払う会社提案も可決された。オアシスは「統合否決を条件に、1株あたり300円の配当を支払う」とする株主提案をしていたが、会社提案の配当案が先に可決されたため、この株主提案は採決されなかった。

 アルプス電気とアルパインは、19年1月1日付で株式交換方式で経営統合。アルパインの株主にはアルパイン株1株に対してアルプス電気株0.68%を割り当てた。統合後の企業名はアルプスアルパインとなった。

 真の勝者は、会社側でなくファンドだった。アルプス電気は経営統合が実現し、名はとったが、果実をたっぷり口にしたのはファンド側だった。

香港のアクティビスト、オアシスが「買収価格が不公平」と主張

 電子部品大手、アルプス電気は17年7月27日、アルパインを株式交換によって完全子会社にすると発表した。アルプス電気はアルパイン株式の40.43%を保有する親会社だ。既存株主が保有するアルパイン株1株に対しアルプス電気株0.68株を割り当てるとした。

 この完全子会社計画に対し、オアシスが待ったをかけた。

 オアシスは17年10月30日、「買収価格が不公正」と主張した。アルプス電気が公表した株式交換比率が、アルパインの事業価値を十分に反映していないとの見解を示し、TOB(株式公開買い付け)による買収に切り替え、価格を引き上げるよう求めた。

 株式交換方式ではなくTOBによる買収に切り替え、対価を現金にすべきだと迫ったわけだ。アルプス電気はTOBに切り替えることを拒否。株主交換方式でアルパインを完全子会社にする方針を貫いた。

 アルパインが18年6月21日に開いた定時株主総会で、オアシスは18年3月期の期末配当を325円(会社提案は15円)に大幅に引き上げる株主提案を行い、会社側と異なる社外取締役の選任を求めた。

 大幅増配の株主提案に対する賛成比率は28.57%。米谷信彦社長を取締役に選任する議案への賛成率は71.33%で、9割超だった前年から大幅に下がった。オアシスの株主提案に3割弱の賛成票が集まったことは、アルパインの経営陣に衝撃だった。なぜなら、アルプス電気との経営統合は特別決議となるため、臨時株主総会で3分の2以上の賛成が必要となるからだ。3分の1以上の反対が出れば、統合は否決される。

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