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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

外貨預金の損失で「節税」できる?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士
外貨預金の損失で「節税」できる?の画像1
「Getty Images」より

啓子「そういえば、亮子さんは最近頻繁にニューヨークに行っていますよね」

亮子「そうだね」

啓子「外貨への両替は毎回のようにしているのですか?」

亮子「ニューヨークではほとんどキャッシュは使わないので、クレジットカードとデビットカードを使ってます。ソニー銀行のデビットカードはとても便利で、外貨預金からそのまま引き落としてくれるの。手数料は外貨預金に預け入れたときの為替手数料だけで、カード決済時にはかからないから本当に便利で」

啓子「外貨預金といえば、預金なのに利息以外の所得が発生する可能性があります。円にしたりドルなどにしたりするタイミングによって、税金の額が変わってくる可能性もありますから、外貨預金の税金について少し整理してみますね」

為替で損が出たときは節税のチャンス?

 外貨預金を始めると、為替相場の変動によって、得をすることもあれば、損をすることもあります。損になったらがっかりするかもしれませんが、確定申告をすることで税金を減らすことができる可能性があります。がっかりするだけで終わってはもったいないので、ぜひ覚えておいてください。まずはそもそも、外貨預金の損や得とはどういうことか、整理してみましょう。

<得する場合>

 1ドル=100円のときに、100万円のドル建て預け入れをし、1ドル=110円のときに払戻しをしたとき。

・預入:100万円 ÷ 100円 = 1万ドル

・払戻:110円 × 1万ドル = 110万円

 100万円を預け入れて、その後払い戻した結果、10万円得をしたことになります。

<損する場合>

 1ドル=100円のときに、100万円のドル建て預け入れをし、1ドル=90円のときに払戻しをしたとき。

・預入:100万円 ÷ 100円 = 1万ドル

・払戻:90円 × 1万ドル = 90万円

 100万円を預け入れて、その後払い戻した結果、10万円損をしたことになります。

 これらが得するパターン、損するパターンです。そして、このような為替取引の損益は10種類の所得のうち、雑所得に分類されます。

 得になった場合には、税金が課せられる可能性がありますが、それについては後述します。損が出た場合には、同じ雑所得の他の所得と相殺することができます。所得を減らすことができるので、その分税金が安くなります。損失が出たからといって損失分を申告せずにいると、税金を多く納めてしまうことになりかねませんので、損も漏れなく申告するようにしましょう。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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