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ポスト五輪の東京~2020年以降も勝つまち、負けるまち~ポスト五輪を待ち受ける23区の勝ち目、弱り目

東京・世田谷区と杉並区、「住むまち」として人気衰退の理由…時代に取り残された中央線沿線

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 本連載で指摘し続けてきたように、都心居住も下町居住も、その背景には通勤時間を短縮し、余った時間を有意義に使いたいという意識が強く作用している。この大きなトレンドニーズを前に、鉄道事業者も努力を重ねている。東京・世田谷区と杉並区、「住むまち」として人気衰退の理由…時代に取り残された中央線沿線の画像2

 図表1に、過去20年間に23区内で進んだ鉄道路線等の再編の動きを整理した。図表では、その結果として利便性向上の恩恵を受けた沿線の区を併記している。一目瞭然で、これらの動きから取り残された区が2つある。江戸川区と杉並区だ。ただし、江戸川区では、1980年代末~90年代はじめにかけて、都営新宿線の延伸(京王線との相互乗り入れ)とJR京葉線の開通という大きなエポックがあった。つまり、中央線の沿線だけが世の流れに乗り遅れてしまっていることになる。

 杉並区の悲哀は中央線だけではない。山手線の駅につながる14の主要私鉄路線(90年代後半以降に整備された新設路線を除き、従来から相互乗り入れによって上野駅と直結していた東武伊勢崎線を含む)のうち、都心への相互乗り入れが行われていないのは、西武新宿線、東急池上線、京王井の頭線の3路線だけ。このうち、新宿線と井の頭線は中央線と並び杉並区民の足となっている路線だ。

 こう考えると、都心への交通アクセスの不便さが杉並区の評価を下げている主要因として浮かび上がってくる。なるほど目黒区はともかくとして、世田谷区も都心に通うのに便利だとはいいがたい。

杉並区を悩ませる“区内格差”の深刻化

 まちの人気を左右するのは、「住宅取得適齢期」に相当する若いファミリー層の動き。5歳未満の幼児人口の動向が、これを象徴的に示している。

 一極集中が進む東京23区では、『国勢調査』による幼児人口数が2010~15年間の5年間で9.8%増加した。目黒区は、23区平均をさらに大きく上回る20.9%増。その一方で、世田谷区は1.2%の増加にとどまっている(杉並区は10年の調査で年齢不明が多発したため経年比較ができない)。

『住民基本台帳』による16~19年のデータを見ても、同じ傾向が続いている。23区平均の2.4%増に対し、目黒区はそのほぼ2倍の4.7%増。一方、世田谷区はわずかに0.2%増。『国勢調査』による10~15年の増加率が把握できなかった杉並区は、目黒区と同率の4.7%増を示している。

 これだけでは3区揃って地価上昇率が低迷している説明がつかないが、下記の仮説を考えると、その実態が理解できてくる。

『なぜか惹かれる足立区~東京23区「最下位」からの下剋上~』 治安が悪い、学力が低い、ヤンキーが多い……など、何かとマイナスイメージを持たれやすい足立区。しかし近年は家賃のお手傾感や物価の安さが注目を浴び、「穴場」としてテレビ番組に取り上げられることが多く、再開発の進む北千住は「住みたい街ランキング」の上位に浮上。一体足立に何が起きているのか? 人々は足立のどこに惹かれているのか? 23区研究のパイオニアで、ベストセラーとなった『23区格差』の著者があらゆるデータを用いて徹底分析してみたら、足立に東京の未来を読み解くヒントが隠されていた! amazon_associate_logo.jpg

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