多くのビジネスパーソンが無意識に“口にして”、陰で大恥をかいている言葉
今回は新入社員研修など、企業で若手従業員の研修講師をしていて気になることを書いてみたいと思います。それは若い人たちのなかに「人見知りです」と言う人が多いことです。彼らは、特に聞かれているわけでもないのに、何かのタイミングでそう口にします。
きちんとした受け答えができなかったり、自らの振る舞い方について合格点が出せないと思うときに、対人コミュニケーションが不得意という意味で、自分は「人見知り」な性格だと言うのです。
知らず知らずに恥ずかしいことを口にしてないか
彼らは自分たちの対人コミュニケーションスキルの不足に気づいたとき、「人見知り」という枠に自分を当て込んでみせることで、その未熟さを正当化、あるいは指摘されないようプロテクトしているように見えます。誰にでも得手不得手はありますから、「人見知りであること」や「対人コミュニケーションが不得意なこと」自体を悪く言いたいのではありません。しかしながら「人見知り」などと安易に述べるのは、ビジネスパーソンとしての自覚に欠けると言わざるを得ません。
こんなことをもし社外で話すような部下がいれば、上司も恥ずかしい思いをすることになるでしょう。あいさつ、受け答え、話し方のスキルが身に付いていないことや、それに対して社内の教育も至らないこと、ましてや自分は「人見知り」などと言うことは、かなりみっともないことと自覚すべきです。
社外だけでなく、社内でもそうしたことは安易に口にすべきではないでしょう。対人コミュニケーションのスキルは、社会人であれば訓練して身に付けるべき基本的スキルだからです。
幼稚な振る舞いでも許される人
筆者がこれまで一緒に仕事をした人のなかには、自分からあいさつができないだけでなく、お礼を述べることもできない、人見知りという括りでは収まらないような人もいました。40歳前後だったその人は後輩たちに対して威張ることもあったり、他愛もない人の失敗(たとえばPCの操作ミス)を笑ったり、人をばかにして喜んでいたりする人でした。
大分変わっていることには誰もがすぐに気づきますが、仕事の後、皆でレストランで食事をしていて、取引先の人たちが偶然同じ店に入ってきても、かたくなに気づかない振りをして、周囲がかなり促さないとあいさつもしようとしないのです。そうした様子には取引先の人たちもすぐに気づき、皆が恥ずかしい思いをするようなこともありました。