セブン&アイHDとセブンイレブン、露呈した“確執”

セブン&アイ・ホールディングス本社(「Wikipedia」より)

 今年の上半期の社長交代では、瀬戸欣哉氏が最高経営責任者(CEO)に復帰したLIXILグループがもっとも注目された。

 取締役会で瀬戸氏は、創業家出身の潮田洋一郎前CEOが推進したシンガポールへの本社移転の中止を決めた。潮田体制でつくられた中期経営計画を取り消し、「2021年3月期に事業利益率を7.5%に上げる」との目標を掲げた。

 LIXILグループの19年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比4.2倍の128億円だったが、事業利益率は約3%にとどまる。事業利益率をどうやって引き上げるのか。瀬戸氏の経営手腕が問われている。

 日本経済新聞社がまとめた19年上半期(1~6月)の主要企業(上場企業と非上場の大手企業)の社長(頭取)の交代調査によると、前年から70社増の710社で交代があった。上半期に700社を超えたのは7年ぶり。「一部の企業のトップ交代の背景には株主の声があり、企業統治の強化がじわりと進んでいることをうかがわせる」と分析した。

 18年6月の「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の改訂で、上場企業はトップの選解任のプロセスを明確化するよう求められたことも要因だ。今年6月の株主総会でも、会社提案に対する株主の反対票が例年より増える傾向が見られた。LIXILグループの株主総会では、株主提案が会社提案を上回った。

 スポーツ用品大手のデサントでは、経営陣と筆頭株主の伊藤忠商事が対立。株主の力で社長交代を決めた。伊藤忠商事出身の小関秀一氏ら取締役6人を選任。小関氏が新社長に就いた。一方、創業家の石本雅敏社長ら旧経営陣のほとんどが粛清された。

 昨夏以降、伊藤忠がデサント株を買い増したことから対立が表面化。伊藤忠が敵対的TOB(株式公開買い付け)を実施して、40%まで株を買い増した。その他の株主も伊藤忠に賛同していため、伊藤忠が実質的に経営の支配権を握った。小関氏がデサントを再び成長軌道に乗せることができるかが焦点となる。

 不祥事による社長交代も目立った。賃貸アパート大手、レオパレス21はアパートの施工不良の問題で創業一族の深山英世社長が引責辞任し、宮尾文也取締役常務執行役員が社長に昇格した。18年春に発覚した施工不良のアパート問題は、調査が進むにつれて深刻化。不備が見つかった物件数は、今年6月末時点で1万9689棟に拡大。収束の見通しは立っていない。

 油圧機器メーカーのKYBは免震・制振装置の検査データの改ざん問題があり、中島康輔会長兼社長が引責辞任し、大野雅生副社長が社長に就いた。

 リズム時計工業は中国子会社で発覚した不適切な会計処理の責任を取り、樋口孝二社長が引責辞任。平田博美取締役常務執行役員が社長に就いた。

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