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白井美由里「消費者行動のインサイト」

ダイエット中に「どうでもよくなってしまう」現象を防ぐには…抑制行動の質的特徴

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「gettyimages」より

 ある実験で観察された結果です。被験者に、かなりの量(75オンス)のミルクシェイクをすべて飲んでもらい、続いてアイスクリームを好きなだけ食べてもらったところ、その量は、ダイエットをしていない被験者よりもダイエット中の被験者のほうが多くなりました。これに対し、アイスクリームのみを食べてもらった場合は逆で、ダイエット中の被験者よりもダイエットをしていない被験者のほうが多くなりました。これは、ハーマンとマックが1975年に発表したものです【註1】。

 ダイエットをしていない人は、生理的欲求に従ってアイスクリームを食べるので、その量は、ミルクシェイクを飲んだ後では飽きや満腹感から少なくなりますが、ミルクシェイクを飲んでいなければ多くなります。これは容易に予想できることですが、注目すべきはダイエット中の人の行動で、アイスクリームだけなら食べる量を減らせるのに、ミルクシェイクをたくさん飲んでからアイクスクリームを食べる場合には抑制できなくなって食べ過ぎてしまうという現象です。

 この現象は、その後、ポリヴィとハーマンによって“What-the-hell effect”と命名され、その特徴が詳しく説明されたことで、広く知られるようになりました【註2】。今回は、この現象を「どうでもよくなる効果」と呼び、そのメカニズムを説明したいと思います。

なぜ食事制限が続かなくなってしまうのか

 ポリヴィとハーマンは、この「どうでもよくなる効果」の特徴を3つあげています。

 一つ目は、ダイエット中の人は食欲という生理的欲求を意識的に抑えようとします。体の自然な反応を抑え、いつ、どれだけを食べるかを意識するため、コントロールは通常の生理的コントロールから認知的コントロールにシフトします。体が「食べたい」と要求していても、「食べるべきではない」と考えてその欲求を抑えるのです。この認知的な食事制限は、ひとたび失敗するとコントロールが難しくなります。

 二つ目は、ダイエット中の人は、なんの問題も起きなければ認知的な食事制限を継続することができます。生理的欲求の認知的な調整は、食べないか食べるか、抑制するかしないか、良いか悪いかのように白か黒かの二択思考で行っています。分別のある食べ方とはどのようなものかのイメージを持っています。したがって、カロリーを摂り過ぎたという問題がひとたび発生してしまうと、二択思考によって、それまで継続してきた食事制限は「失敗に終わった」と捉えてしまうのです。

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