「アーチャー伝説」が密かなブーム…ゲームアプリ、シンプルなハイパーカジュアルがトレンド
日本の「重厚長大」型ゲームはどうなる?
日影 今の30代以降の人たちには「開発費用をかけていいゲームをつくれば売れる」という考えがあるかと思います。
――私もその世代ですが、売り切りの物理的なゲームソフトを購入することがゲームとの最初の出会いだった世代は、そう考えがちですよね。派手なオープニングムービーがあって、というような。
日影 開発費用が1億円以上のゲームアプリも少なくありませんが、ハイパーカジュアルのようにゲームをビジネスとして捉え、お金をかけすぎずにシンプルなゲームアプリをつくり、自社ゲームアプリの広告を別のゲームに出稿したり、逆に自社ゲームアプリ内に他社の広告を出したりするなど、人が集まる場をつくる。そして、そのアプリを日本だけでなく世界中に展開していく、という流れも進んでいます。
「アーチャー伝説」がリリース直後に順調にユーザーを増やしたのは、純粋にゲームとしておもしろいからというのもありますが、広告宣伝を上手に行ったためでもあるでしょう。
――今のゲームは「単純に内容がおもしろいか」だけでなく、「ビジネスモデルとして優れているか」も問われてくるんですね。
日影 それまでの「コストをかけて大作ゲームをつくって」という「重厚長大」型のビジネスモデルから、ハイパーカジュアルのように、まずは低コストでゲームをつくり、それを広告モデルでうまく回しながら収益を確保していくという流れに、一部は移りつつあります。
――ただ、日本のゲームアプリを見ると、まだ「重厚長大」型のゲームが多い印象ですね。ゲームアプリの売り上げランキング上位の常連である「Fate/Grand Order」は課金のみのモデルです。
日影 日本はもともと「重厚長大」型のゲームの人気が高く、いわば内需がありますからね。ですが、「App Ape」においてゲームのMAU(月に一度でもアプリを利用したユーザー数)ランキングトップ200のうちハイパーカジュアルのゲームの数を調べたところ、2018年6月は9つでしたが、19年6月では倍増していました。
――今後は、ゲームのハイパーカジュアル化が日本でも進んでいきそうですね。
日影 ただ、一方で「従来型の重厚長大のゲーム」がなくなっていくかといえばそんなことはなく、たとえば、任天堂の「ニンテンドースイッチ」も好調です。今後は、開発費用をかけてつくり込んだ重厚長大型のゲームと、気軽につくれてプレイできるハイパーカジュアルのゲームの二極化が進むのではないでしょうか。
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