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石徹白未亜「ネット依存社会の実態」【アプリ四季報 2019年4~6月】

「アーチャー伝説」が密かなブーム…ゲームアプリ、シンプルなハイパーカジュアルがトレンド

文・構成=石徹白未亜/ライター

日本の「重厚長大」型ゲームはどうなる?

日影 今の30代以降の人たちには「開発費用をかけていいゲームをつくれば売れる」という考えがあるかと思います。

――私もその世代ですが、売り切りの物理的なゲームソフトを購入することがゲームとの最初の出会いだった世代は、そう考えがちですよね。派手なオープニングムービーがあって、というような。

日影 開発費用が1億円以上のゲームアプリも少なくありませんが、ハイパーカジュアルのようにゲームをビジネスとして捉え、お金をかけすぎずにシンプルなゲームアプリをつくり、自社ゲームアプリの広告を別のゲームに出稿したり、逆に自社ゲームアプリ内に他社の広告を出したりするなど、人が集まる場をつくる。そして、そのアプリを日本だけでなく世界中に展開していく、という流れも進んでいます。

アーチャー伝説」がリリース直後に順調にユーザーを増やしたのは、純粋にゲームとしておもしろいからというのもありますが、広告宣伝を上手に行ったためでもあるでしょう。

――今のゲームは「単純に内容がおもしろいか」だけでなく、「ビジネスモデルとして優れているか」も問われてくるんですね。

日影 それまでの「コストをかけて大作ゲームをつくって」という「重厚長大」型のビジネスモデルから、ハイパーカジュアルのように、まずは低コストでゲームをつくり、それを広告モデルでうまく回しながら収益を確保していくという流れに、一部は移りつつあります。

――ただ、日本のゲームアプリを見ると、まだ「重厚長大」型のゲームが多い印象ですね。ゲームアプリの売り上げランキング上位の常連である「Fate/Grand Order」は課金のみのモデルです。

日影 日本はもともと「重厚長大」型のゲームの人気が高く、いわば内需がありますからね。ですが、「App Ape」においてゲームのMAU(月に一度でもアプリを利用したユーザー数)ランキングトップ200のうちハイパーカジュアルのゲームの数を調べたところ、2018年6月は9つでしたが、19年6月では倍増していました。

――今後は、ゲームのハイパーカジュアル化が日本でも進んでいきそうですね。

日影 ただ、一方で「従来型の重厚長大のゲーム」がなくなっていくかといえばそんなことはなく、たとえば、任天堂の「ニンテンドースイッチ」も好調です。今後は、開発費用をかけてつくり込んだ重厚長大型のゲームと、気軽につくれてプレイできるハイパーカジュアルのゲームの二極化が進むのではないでしょうか。

石徹白未亜/ライター

石徹白未亜/ライター

ライター。得意分野はネット依存・同人文化(二次創作)・ファッション。ネット依存では自身の体験をもとに書籍『節ネット、はじめました』(CCCメディアハウス)を執筆、NHK『ハートネットTV』、フジテレビ『バイキング』、朝日新聞、週刊文春等メディア出演多数。個人に向けたスタイリストとしても活動しており、著書に男性スーツ本『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。』(CCCメディアハウス)。ユニ・チャーム株式会社でのスーツ着こなしセミナーなど、ファッション研修も多くの実績あり。おうち大好きインドア派。同人誌と串揚げとしめさばとビールで生きてます。
●「主なプロデュース作品
『何になりたいかわからないけど就活を始めるあなたへ まず自己分析をやめるとうまくいく』辻井啓作(高陵社書店)
『自分のイヤなところは直る! 』牧野秀美(東邦出版)
『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル 初級編 』渡部泰子(主婦の友社)

Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』 時間がない! お金がない! 余裕もない!――すべての元凶はネットかもしれません。 amazon_associate_logo.jpg
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』 「使えそうにないな」という烙印をおされるのも、「なんだかできそうな奴だ」と好印象を与えられるのも、すべてはスーツ次第! amazon_associate_logo.jpg

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