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ZOZO、ついに年間購入者数が減少…しまむら「1年で退店」事件に透ける“深刻な内情”

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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PB事業の頓挫

 良い兆候と悪い兆候が交錯するZOZO。今後、どのように転ぶかはわからない。ただ、競争の激化で、以前のような大きな成長を実現するのはかなり難しいだろう。アマゾンが衣料品の通販を強化したり、ほかの衣料品通販サイトが台頭するなどしており、競争が厳しさを増しているためだ。また、アパレル各社が自社の通販サイトでの販売を強化しており、ゾゾタウン出店での手数料の支払いを嫌って“ゾゾ離れ”が将来的に起きる可能性が否定できないことも不安材料だ。

 その先例となりそうなのが、カジュアル衣料大手のしまむらだ。同社としては昨年7月に初のオンラインショップとしてゾゾタウンに出店した。だが、1年もたたない今年6月に退店している。

 4月8日付通販新聞は、しまむら社長の見解として「外部モール経由の販売はコストがかかり過ぎる」(北島常好社長)と報じている。また、同新聞はしまむらのネット通販戦略について「東松山商品センター内にEC専用倉庫の建設を進め、2020年秋をメドに自社ECをスタートする」とも報じている。つまり、ゾゾタウン出店で高い手数料を払い続けるくらいなら、初期投資がかかっても自社の通販サイトを立ち上げて販売していったほうが結局は安くつく、と判断したということだ。ゾゾタウンの手数料は高いことで知られており、今後、こうしたかたちで“ゾゾ離れ”が進む可能性がある。

 ゾゾタウンに続く事業が育っていないことも気がかりだ。第2の柱となるはずだったPB事業は頓挫してしまった。そのためかは不明だが、ZOZOは新たに「マルチサイズプラットフォーム(MSP)事業」を始めた。同事業では出店ブランドと共同で20~50程度のサイズをそろえる商品を開発し、ゾゾタウンで販売する。今年の秋冬に「アース ミュージック&エコロジー」や「リーバイス」などのブランドから約100アイテムの販売を予定している。

 こうして始めたMSP事業の初年度である今年度の商品取扱高の目標は10億円と、かなり控えめだ。PB事業の初年度である前年度の目標が200億円だったのと比べると、MSP事業の小粒感のほどがわかる。PB事業では実績が目標を大きく下回ってしまったことから、意図的に目標を必達できる低い水準に設定した可能性が考えられるが、それにしても10億円というのは少なすぎる。今年度のゾゾタウン事業における商品取扱高の目標は3554億円なので、0.3%にも満たない規模だ。

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