
吉本興業が激怒している――。
5日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、お笑いコンビ・EXITの兼近大樹が、当時未成年だった2011年に売春防止法違反容疑で逮捕され、簡易裁判で罰金刑10万円の処分を受けていたと報じた。また、その翌年にも窃盗事件に関与した容疑で逮捕されたとしているが、兼近は「文春」の取材に対し、前者については事実を認めている一方、後者については否定している。
この報道を受け、兼近が所属する吉本は5日、以下のコメントを発表している。
「その者が有罪判決を受けた後は、更生し、社会に復帰することが期待されているところ、公益を図る目的なしに前科に係る事実を実名で報道することは、不法行為を構成し得る行為とされております」
「仮に、未成年時の前科に係る事実を、その事件から長期間経過した後に、正当な理由なく軽々に実名で報道することが許されるとすれば、未成年の者についてその後の更生の機会を奪ってしまうことになりかねず、社会全体として非常に危惧すべき問題であることは明白です」
「何ら刑事処分を受けていない事実についても、あたかも犯罪行為を行ったものであるかのように報道するものであり、兼近の人権を著しく侵害するものである」
今回、吉本が強い口調で「文春」を批判している理由について、週刊誌記者は語る。
「何より、EXITは将来が期待される超売れっ子若手コンビであり、ここでコケさせるわけにはいかないという事務所としての責任感が、一番の理由でしょう。さらには、ここ数カ月世間を騒がせた闇営業問題も影響していると思います。一連の騒動で吉本は、マスコミから叩かれまくりの“サンドバッグ”状態でしたが、報道のなかには事実ではない内容も数多くあった。その問題も沈静化しつつあるなかで、今後もマスコミから“書かれ放題”になってしまうことを恐れて、“ここで一発、断固たる姿勢を見せておく必要がある”と判断したのではないでしょうか。
また、『文春』は記事の見出しで『吉本から誰にも言うなと…』と、兼近が直撃取材の際に発したコメントを掲げていますが、“吉本がまた不祥事を隠そうとしている”という印象が世間に広まることを恐れ、強く出たという側面もあるでしょう。EXITは抜群の好感度を誇るだけに、“貧困に喘いでいた兼近の未成年時代の過ちを、すでに本人は更生しているにもかかわらず、今になって掘り返す『文春』のほうこそ倫理的に問題”という構図を、つくろうとしていると感じられます」
倫理的な問題
インターネット上では報道した側の「文春」への批判も多数みられるが、都内の法律事務所に所属する弁護士は語る。