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若者の“ジーンズ離れ”で販売激減…ジーンズメイト、「ジーンズレス店舗」展開で業績回復

構成=長井雄一朗/ライター
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ジーンズメイトの店舗(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 かつて若者のファッションの王道アイテムであったジーンズの販売不振が顕著になっている。大手量販店の店舗数が減少しており、背景には若者のジーンズ離れや過去の拡大路線の反動などがあるという。各社が出店戦略や商品構成の見直しで業績回復を狙うなか、「ジーンズレス店舗」という新機軸を打ち出しているのがジーンズメイトだ。

 ジーンズ量販店の業界動向と今後の見通しについて、東京商工リサーチ情報本部情報部の永木緋鶴氏と二木章吉氏に話を聞いた。

相次ぐ大手の大量閉店

――大手ジーンズ量販店の業績について教えてください。

永木緋鶴氏(以下、永木) マックハウスの売上高は2009年2月期の566億5000万円から19年2月期には280億900万円と半減しており、店舗数は567(09年2月期)から398(19年2月期)まで減少しています。ライトオンは09年8月期に1006億600万円だった売上高が18年8月期には767億9800万円と約23%落ち込んでおり、店舗数は15年8月期の516をピークに19年8月期第2四半期時点で492に減っています。

 ライザップの子会社であるジーンズメイトの売上高は12年2月期の115億3300万円から19年3月期には85億7900万円まで減少しており、12年2月期の117店から19年3月期には76店にまで減っています。

二木章吉氏(以下、二木) ただし、ジーンズメイトは売上高が減少したものの、ジーンズの取り扱いを減らした新戦略が功を奏し、19年3月期は11年ぶりの黒字決算となっています。今後も、ジーンズを置く店と置かない店の二極化が進むでしょう。8月8日に発表された20年3月期第1四半期(4-6月)決算も、引き続き黒字で着地しました。

――ジーンズメイトの新戦略とは、どのようなものでしょうか。

二木 今や若者向けに1万円台のジーンズを販売しても売れない傾向にあります。そのため、若者がターゲットになるターミナル駅周辺やファッションビルの店舗では、ジーンズの代わりに若者が好む“アスレジャー”(アスレチックとレジャーを組み合わせたスタイル)商品を販売する戦略です。渋谷店をリニューアルした新業態「JEM」の店舗では、売場の9割強をジーンズ以外の商品が占めました。同店では18年秋から19年1月にかけてジーンズを1本も置かない「ジーンズレス店舗」でしたが、40代以上の来店客から「ジーンズを置いてほしい」との要望があったことから、再びジーンズを扱うようになっています。

 一方、駅から離れた郊外店ではジーンズを求める来店客が多く、そうした店舗では従来通りジーンズを多く置いています。今後も、立地や要望に応じてジーンズを置く店舗と置かない店舗に分けていく方針で、この新戦略は理にかなっているといえそうです。ジーンズメイトでは、「ボトムスの多様化により、若い世代にジーンズを求める層が減少している」と解説しています。

――ジーンズ全体の売れ行きが不振ということなのでしょうか。

永木 そうではなく、コスパを重視する若者はユニクロやGUなど手ごろな商品を販売する店に流れているということでしょう。一方、40代以上の世代では「高くても質の良いジーンズが欲しい」という要望もあり、ジーンズ業界全体が二極化しているといえます。実際、岡山産の数万円のプレミアムジーンズも売れているようです。

 あるジーンズ量販1社は、業界動向について「従来のようなナショナルブランドのジーンズより低価格帯を好む層も増えた。他社も低価格帯のプライベートブランドのジーンズに力を入れている」と解説しています。

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