NEW

日本人が知らない“米国での日本食人気”…寿司やカップうどん、もはや日常食に

文=北沢栄/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, , , ,

 果糖液糖は日本では安価な甘味料として広く使われているが、米国ではすでに一部のコーク(カナダ製)やペプシには使っていない。「トランス脂肪酸」を使い、発がん性があるとされるマーガリンは、市場から姿を消した。このスーパーで売られている健康志向食は“身体に良いから”と、健常者の一般客の好評も得たため、売り上げ増から値段も下がり、さらに顧客を呼ぶ好循環となっている。

グローバル化する日本食

 米国人の健康志向の勢いは、ここ数年、急速に盛り上がってきた。筆者は10日間の米国東部滞在中、ついにたばこを吸う人に街で1人も出会わなかった。今ではレストランや公共の場所は「禁煙」に指定され、人々の健康志向への関心は「食」に集中してきた感がある。

 米国にも、「医食同源」と似た“you are what you eat.”という諺がある。かつて新大陸の米国に移住してきたピューリタンの精神を受け継いだせいか、「良い」と心に決めたらひたむきに追い求める気風が、今なお米国人のエリート層に見られる。健康志向食の追求が大きな風潮となってきたのも、一途に理想を追求したピューリタンのDNAが自然な健康志向食を厳しく選別するようになったからかもしれない。

 別のスーパーは、1年前にはなかった多種多様の日本食を棚に並べる。米国製の有機食材やグルーテンフリーの減塩みそ汁が3種、さらにカップうどんも新登場した。うどんはラーメン(RAMEN)と同じく、そのまま「UDON」と表示されている。

日本人が知らない米国での日本食人気…寿司やカップうどん、もはや日常食にの画像3
ニューヨークの大手スーパーに並ぶ米国製有機食材やグルーテンフリーの減塩みそ汁(撮影=筆者)

 寿司はあまりに普及したため、日本の原型から離れ、すべて米国人好みの巨大なマグロやサケの具をのせた、超ビッグな“握り”に変貌している。製造元は、寿司レストランと同様、日本人ではなく中国人や韓国人が経営、と地元の友人が明かした。寿司の需給は、もはやグローバル化しているのだ。

 健康に良いことが知られる海苔(のり)や昆布はむろん、餅や日本酒も置かれているから、駐在日本人は正月が来ても困らない。

 日本食人気の要因のひとつに、ここ数年、訪日観光客が急増して多様な日本食のおいしさを広く知るようになったことが挙げられる。しかし、最大の要因は、世界トップクラスの長寿を誇る日本人の食生活が「健康に良い」と見直されてきたことにあるようだ。

(文=北沢栄/ジャーナリスト)

情報提供はこちら