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大塚家具、キャッシュフロー赤字が危険水準…お家騒動→中価格路線失敗で「高級」に逆戻り

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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高級ブランド品の販売が伸びる

 こうした周辺事業で行き詰まるようになったこともあり今後が懸念されているわけだが、やはり主力事業である大塚家具店舗での販売の不振が最大の懸念材料だろう。リストラ面では一定の成果が出ているものの、肝心の成長戦略面では成果を出せていない。

 もちろん、店舗販売の面でも対策は講じている。昨年3月から、イタリア高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」を専門に扱う店舗の出店を始めたほか、今年4月には米国の高級ベッドブランド「シーリー」の商品を販売するなど、消費者の取り込みを図っている。

 こうした施策の一部では、成果も出ている。たとえば、「ポルトローナ・フラウ」の今年5月の販売数量は、前年同月比18%増と好調だったという。同月ではほかにも英国の高級ソファブランド 「アートフォーマ」が46%増、ドイツの高級ソファブランド「ロルフベンツ」が8%増と、それぞれ伸長した。4月には、スイスの高級ソファブランド「デセデ」が31%増と大きく伸びている。

 だが、これは皮肉な話だ。大塚家具は、社長の大塚久美子氏と父親で創業者の大塚勝久氏が経営権をめぐって争った“お家騒動”後、幅広い顧客層を取り込むために従来の高価格帯中心の品ぞろえを改め、中価格帯の商品も増やす改革を進めてきた。しかし、既存店売上高はマイナスが続き、不振から脱却できていない。そうしたなか、「ポルトローナ・フラウ」など高級品が好調となっていることで、価格帯を下方にシフトさせた戦略が間違っていたといわれても仕方がないのではないか。

 大塚家具は深刻な販売不振が続いているが、元凶はお家騒動によるブランド価値の低下だ。それにより大塚家具を敬遠する人が増えた。そこで、久美子社長は自らが発起人となって、家具の業界団体「『スローファニチャー』の会」を設立。その後、久美子氏は勝久氏を訪ね、同団体の名誉会長への就任を要請した。お家騒動以来4年ぶりの再会で、親子和解への機運が高まった。和解を演出することで、低下したブランド価値を再び高めたい思惑があったのだろう。

 だが、勝久氏は「団体の目的について十分な説明がない」として要請を断り、和解には至らなかった。ブランド価値の回復もままならならず、むしろ、和解失敗でさらなるブランド 価値の低下を招いた感さえある。

 大塚家具は、販売不振から脱却するメドは立っていない。さらに、現金枯渇懸念が払拭できていないのも悩みのタネだ。6月末時点の現預金は31億円で、一時期よりは若干改善したが、100億円以上あった頃と比べると心もとない。また、19年1~6月期の営業キャッシュフロー(CF)はマイナス29億円と、前年同期から約9億円マイナス幅が拡大した。商品を売るなどの営業活動で現金を稼ぐ力の衰えが鮮明となっている。営業CFのマイナスは、定期預金の払い戻しや株式の発行などでなんとか補っているが、それも限界がある。

 大塚家具は、販売不振からの脱却が急務だ。筆者は「父娘和解」が一番の近道だと思っているが、なにかしらの抜本的な対策を講じることが求められている。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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