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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

AIにタピオカ“再”ブームの予測は不可能…AI標準時代に「消えない仕事」「消える仕事」

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
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「gettyimages」より

 経済産業省によると、2017年の国内外におけるAI(人工知能)関連発明の特許出願件数は前年比約65%増となっており、今後もさまざまな分野でAIが導入されれば、サービスの質は向上し、労働の簡略化が進む。

 特にマーケティングにおいては、ビッグデータの活用が不可欠となり、AIが担う役割は非常に大きいとされている。今回は、その理由について市場調査の側面から立教大学経営学部教授でマーケティングが専門の有馬賢治氏に解説してもらった。

リピーターを掴むためにAIの情報分析が不可欠

「時代はかつての『マス・マーケティング』から『リレーションシップ・マーケティング』へと変化しています。マス・マーケティングとは、消費者を細かく区別せずに少品種を大量生産して販売する方法でした。一方のリレーションシップ・マーケティングは、顧客一人ひとりのニーズを把握し、対象の消費者と長期間にわたって良好な関係を築くことを目指すもので、多品種を少量生産して販売することになります。つまり、不特定多数に大量販売する時代から、特定少数に継続販売する時代へと変化しているのです」(有馬氏)

 消費者の趣味嗜好が多様化し、それに応える製品やサービスも市場に行き渡っている昨今、どんな業種でもリピーターの確保が最優先課題になったといえる。

「リピーターを掴むなら、次期購入見込みの予測が重要になってきます。そのために、これを予測するサービスやシステムの導入は、もはや当たり前のことといえるでしょう。たとえば、ポイントカードは購買ごとにポイントが付与される事後的なキャッシュバックのシステムですが、消費者にとっては次回以降の購買での割引のメリットがあります。これが、企業にとっては購買客の購買履歴データを入手できる調査データとなっているのです。これを活用することで、企業は売れ筋や死に筋商品の予測が可能になります」(同)

 とはいえ、データを日々収集していくと、その数は膨大になり、分析をマンパワーだけで成し遂げることには困難を伴ってくる。そこへのAIの普及は、製品やサービスを提供する側にとっては渡りに船の状況といえる。

「AIが導入されることで、担当者は予測結果のみを受け取る環境に近づくため、作業効率ははるかに上がります。ビッグデータの時代は、データの量が質をつくり、AIの質が予測精度を上げる時代といえます。ですから、国際的なAI開発競争は、ハードとソフトの両面で激しさを増してきています。“データで稼ぐ”ことが重要視されるマーケティングシーンで、AIの導入は今後のスタンダードになっていくことでしょう」(同)

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