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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

日常生活すら困難になる「化学物質過敏症」が、1年間●●したら解消された

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
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「Getty Images」より

 瀬戸内海に浮かぶ因島は、「村上水軍ゆかりの島」といわれています。村上水軍は、14世紀の中頃、南北朝時代に因島、弓削島など瀬戸内海の制海権を握り、海上に設けた関の通行料の徴収、水先案内人の派遣、海上警護の請け負いなどを担っていた一族です。その村上一族はやがて能島村上家、来島村上家、因島村上家の三家へと分派し、豊臣秀吉が海賊停止令を出したことで、村上水軍としての活動も終焉を迎え、日本が本格的な天下統一に向かう時代に突入していきます。

 筆者が初めて因島を訪れたのは、今から40年も前のことです。3ルートある本州四国連絡橋のひとつで、もっとも西側に位置する「尾道・今治ルート(通称:瀬戸内しまなみ海道)」が全線開通したのが1999年5月1日なので、それよりずっと前ということになります。尾道からフェリーに乗って因島に渡ったことを憶えています。

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 当時、ある放送局でドラマの原作小説を募集しており、筆者はそれに応募するために因島を舞台にしたストーリーを書こうと思いたち、取材のために島を訪れたのでした。その小説は残念ながら採用されず、その後、もう一本、パリと東京を舞台にした物語を書いたのですが、それも没となりました。なんの収穫も得られなかったように思える2本の小説ですが、実は、この小説を書くにあたって、ひと言の文句も言わず、黙々と全文を清書してくれたのが、後々結婚することになった若かりし頃の妻だったのですから、あながち捨てたものでもありません。

 当時の因島は、造船業が盛んでしたが、一方で除虫菊の栽培にも取り組んでいました。除虫菊はいうまでもなく「蚊取り線香」の原材料となるものですが、今では蚊取り線香も化学合成品でつくられるようになり、ごく一部を除いて、除虫菊が使われることもなくなってしまいました。

 しかし、因島ではいまだに除虫菊の栽培を続けています。それは観光のためで、5月初旬になると可憐な白い花が咲き乱れ、それは美しい光景だそうです。

 地中海地方および中央アジアが原産地と考えられている除虫菊の種の部分には「ピレトリン」という殺虫成分が含まれており、昔からその殺虫効果は知られていたようです。それを活用して蚊取り線香がつくられていたわけです。ですから、除虫菊の茎や葉や花を燃やしても、蚊は1匹も死にません。

 そのピレトリンを化学的に合成したものが「ピレスロイド」と呼ばれるもので、このピレスロイドを工業的に製造することが可能になったため、コスト面で圧倒的に有利な化学合成品を使う企業が増えたということです。

 ピレスロイドは、いわゆる有機リン系殺虫剤といわれるもので、シロアリ駆除などにも使われています。スプレー式の殺虫剤や、電気蚊取り器の小さなマットにも使われていますが、実はピレスロイド自体にはにおいがなく、使用した時に漂ってくるあのにおいも、やはり化学合成品です。これはほんの一例にすぎませんが、私たちの生活環境は“化学物質だらけ”と言っても過言ではないほどです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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