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中曽根陽子の教育最前線

中学受験で我が子が“燃え尽き”ないために…一生通用する「地頭力」をつける探究型学習

文=中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表
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受験算数は、地頭力を伸ばす最強のツール

中曽根 具体的には、中学受験勉強は、その後の学びにどのように役に立つのでしょうか?

矢萩 理科と社会に関しては、中学校の先取り学習に近いので、小学校の勉強が物足りないというお子さんに関してはいい刺激になりますし、中学生になってからの勉強が楽になるので、中学受験をする・しないにかかわらず中学校での勉強にダイレクトに役にたちます。

 また、受験算数は、地頭力を伸ばせます。パズル的な頭の使い方をしなければ解けない問題が出題される受験算数は、今注目されている思考力を育てる上でもいい機会になるのです。そこにある情報をいかに使って、自分で考えて答えを導き出すかという過程は、新しい学習指導要領で求められている人材像にも近いです。これは中学受験でなければ体験できないことです。

 ただ理解力の差は、子どもの発達段階と関係が深いので、わからないものを無理やりやらせるのは逆効果で、かえって算数嫌いにしてしまいかねません。「算数がおもしろい」と言うお子さんには、論理パズルとしてどんどんやらせてみたらいいと思います。

 しかし、せっかく探究的要素がある受験算数も、実際にはなぜそうなるのかをじっくり考えさせず、初めから解き方を教えてしまいがちです。便宜上やり方を教えるのはいいのですが、公式に当てはめて解くだけでは思考力は育ちません。

中曽根 塾も合格がゴールなので、致し方ない部分もありますが、もったいないですよね。では、受験勉強で燃え尽きるとか、勉強嫌いにしないためにはどうしたらいいでしょう。

矢萩 そうですね、子どもを潰さない程度に、受験を突破するための能力を鍛えることはできます。そのためには、最低限の四則演算力や割合の感覚があること、文字を読むなど基本的な力を身につけておくことは必要です。それができないとその先には進めません。

 受験ではある程度、全範囲をこなすことが求められていますが、受験校を絞ればやらなくて良いこともあります。例えば難解な物理分野や化学分野、公民や時事問題をほとんど出さない学校もあるので、その対策は不要です。でも、5校も6校も受験すれば結局すべての分野をやらなければならなくなります。しかも大手塾は、大勢の子どもを対象にしているので、全範囲をやる設定にしなければ成り立ちません。だから、進学塾に通う子どもたちは、膨大な量をこなさざるを得ないのです。でも、それが負担になって勉強嫌いにしてしまっては、もったいないです。

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