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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

トランプ米大統領の別荘に中国人女性が侵入し逮捕…スパイ説浮上、中国政府が猛批判

文=相馬勝/ジャーナリスト

 判事から囚人服姿の理由を聞かれた張は「刑務所の担当者が私服に合うような下着を支給してくれないからだ。これは女性としては当然の要求だ。その願いを聞き入れてくれないから、私は囚人服のままで現れたのだ」と証言。最終的に、逮捕時に持っていた荷物のなかにあった下着を提供されて、裁判が再開されたという。

 このほかにも、張は裁判所が選定した弁護士を解任し、張自身で弁護すると言ってきかず、弁護士なしで裁判を受けている。さらに、流暢な英語を話したかと思えば、判事の簡単な質問に「YES、NO」で答えず、「わからない」とだけ答える場面もあった。

 このような張の奇妙な言動が12人の陪審員に不信感を抱かせ、結果的に有罪判決を下されたともいえそうだが、これらの言動は「スパイ説」を覆すための単なる狂言なのか、あるいは確信犯なのか、精神的に異常な部分があるのかなど、現職の米大統領の別荘への侵入事件だけに謎は尽きない。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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