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片田珠美「精神科女医のたわごと」

あおり運転エアガンの原因は「反社会性パーソナリティ障害」か…矯正可能かが議論呼ぶ

文=片田珠美/精神科医

良心の呵責も罪悪感もない

反社会性パーソナリティ障害」の人は、規範意識が低く、逮捕の原因になる行為を繰り返すことが多い。これは、他人を傷つけても、他人のものを盗んでも、良心の呵責も罪悪感も覚えないからだ。

 このような傾向は、10代の頃から認められたようで、佐藤容疑者の弟の同級生によれば、弟めがけてエアガンを乱射し、へらへら笑っていたという。被害者の痛みに共感することも同情することもないからこそ、反省も後悔もせず、反社会的行為を繰り返すのだろう。

 こういう人を治療や教育によって矯正することができるのかについては、昔から盛んに議論されてきた。そもそも、性格の著しい偏りというか歪みであるパーソナリティ障害が精神科の治療の対象になりうるのかという議論さえある。

 非常に難しい問題であり、一朝一夕に解決できるわけではない。あおり運転の厳罰化も含めて、これから社会全体で考えていくべきだろう。

(文=片田珠美/精神科医)

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

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