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台風・千葉停電、3週間近くの長期化&復旧見通し撤回連発の理由…東電と森田知事の責任

文=編集部
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 同じころ、倒壊した鉄塔2本以外に房総半島の山間部の小型の送電線に倒木が絡まったり、断線したりしていることが明らかになってきました。直接、現場で確認しなければいけない場所が数百カ所あるのでないかと。しかも、その現場に至る山道は倒木や土砂崩れでふさがれているようでした。

 10日夜に現場に降った雷雨は、山間部の現場では稜線にそって稲妻が走るような状態で、作業をすれば死者が出ていたかもしれません。現場には復旧は1週間では無理ではないか、という空気が漂い始めていました。ところがまさにそのころ、本店は報道各社に『11日朝までに停電戸数を約54 万戸から12 万戸にまで減らし、11日中にはすべて復旧させる』と流していたのです」

 そして、翌11日朝には、東京電力パワーグリッドの金子禎則社長が次のように会見したのだ。

「11日中の復旧の見通しがたっていない。大変ご迷惑をおかけして、まことに申し訳ない。10日夜の雷雨や新たに見つかった不具合の影響などで、想定より復旧作業が進まなかったことが遅れの原因だ」

 その後、同社が会見を開くたび、「復旧の見通し」は後退を続けた。12日には「13日以降になる」、13日夜には「2週間以内の復旧を目指す」とずれ込み、被災地の住民の希望をたびたび打ち砕くことになった。

 別の東電幹部OBはこうした東電の対応に次のように漏らした。

「災害時は最小の工数で済む日程と、最も保守的(深刻)な状況の2つを想定して復旧作業を進めるのが常識です。技術屋の観点から言えば、保守的な見立てこそ大事なのですが、伝言ゲームで複数の社内関係者を経る中で、楽観的な予想だけが上層部に伝わっているのではないかと思います。どんなに過酷な状況であっても、目の前の状況をもとに着実に作業するのが完全復旧の近道です。福島第1原発事故以降、影を潜めていましたが、会社の悪い癖が出たのかなと暗たんたる気持ちです」

 今は一刻も早い被災者の救援が必要だ。だが今回の事態を深刻化させた政府、東電、千葉県は猛省する必要があるだろう。

(文=編集部)

 

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