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N国党・立花氏の“金儲け目的”の威力業務妨害罪を見逃す警察の態度は問題である

文=深笛義也/ライター

 MX前での立花氏の行動。2回目以降の19日と26日は、真ん中がプラスチック棒で仕切られた歩道の片側に、集まった人々は蝟集することになった。19日のユーチューブ動画で、「警察とも確認を取りました」と言っている。道路使用許可が得られたのかどうかは不明だが、警察との合意ができたのだろう。

「しかし、それでも疑問です」と警視庁OBは語る。警察庁交通局交通規制課が2006年に出した、ロケーションに伴う道路使用許可の留意事項には、以下のように書かれている。

「ロケーションは民間事業者等による収益を伴う経済活動であることから、『民間事業者等による経済活動に伴う道路使用許可の取り扱いについて』に示したとおり、その目的について地域の活性化や都市における賑わいの創出等に資するものであると認められるか否か等社会的意義の有無に留意すること」

「ロケーションのために道路を使用することについて、地域住民、道路利用者等の合意形成の円滑化を図るため、『イベント等に伴う道路使用許可の取り扱いについて』の記3(2)の措置を講じた上、合意形成状況について慎重に見定めるよう配意すること」

※記3(2)とは、「警察署の担当者に対する指導及び教養の徹底」を差す。

 もちろん、ここで言われている「賑わい」とは祭りやイベント等、地域の活性化につながるものを指すのであって、テレビ局の前に抗議のために集まることではない。

「本来であれば、立花氏の呼びかけによるMX前での行動について、麹町署は合意すべきではなかったと言えます。インターネットを通じた犯罪も増えており、警察もその研究には努めています。だけどこの“抗議行動”が、ひとり放送局という民間事業者による収益を伴う経済活動であるということまで気づかなかった可能性はあります。警察と相談する際に、より遵法精神が求められる国会議員である立花氏のほうから申し述べるべきでしょう。

 また、行動の呼びかけ人が国会議員であることから、麹町署も合意せざるを得なかったという要素も否定できません。2回目以降、歩道に面したスタジオには紗幕が降ろされました。ストロボを焚かないでくれという控えめなお願いも聞き入れてくれないとわかり、威力業務妨害に備えたのでしょう。国会議員が呼びかける威力業務妨害に、民間の会社が自力で防御しなければならないなんて、ちょっと異常じゃないですかね」(警視庁OB)

国会議員としての特権を利用

 立花氏はMX前での抗議行動と軌を一にして、『5時に夢中!』のスポンサーである崎陽軒の商品の不買運動を呼びかけた。不買運動というのは消費者運動の一形態であり、力を持たない市民が団結して行うものだ。国会議員がこれを呼びかけるなど、日本ではこれまでに聞いたことがない。

 だが、これを受けてツイッターには、ダルビッシュ有投手が「崎陽軒に罪はない気がする笑 てか良く新幹線乗るとき買ってたなー。また食べたい」、カンニング竹山が「崎陽軒のシウマイ弁当を意識的に買う」、ロバート・キャンベル氏が「お腹すいた。なんか急に崎陽軒のシウマイ、食べたくない?w」、高須克弥氏が「崎陽軒を守りす。シュウマイ弁当なう」などと呟いて購買行動が広がり、崎陽軒のシウマイ売り場のショーケースには「完売御礼」の札が並ぶことになった。

「崎陽軒さんにとっては、複雑な気持ちだったと思いますよ」

 そう語るのは、横浜の食品関係者である。

「業界に流れてきている話では、お盆はシウマイ弁当の需要が高まり生産も増やしているが、それでも足りないぐらいの状況。N国さんが不買運動を呼びかけて逆に買う人が多くなり、完売状態になってしまったわけです。そのために、普段から買っているお客さんが買えなかった可能性がある。完売したからといって、崎陽軒さんとしては手放しで喜べるわけじゃないんです。N国さんも罪なことをしたもんです」

 立花氏はマツコとMXに対する集団訴訟を呼びかけている。それについて、どのようなやり方がいいのかという意見交換会を、参議院議員会館の会議室にマスコミ、市民を集めて行った。

「これもやはり、ひとり放送局のユーチューブ動画で流されており、営利行為です。彼は『数字を持っている人を叩くのは戦略としてあり』と語っていて、確信犯だと思います」(警視庁OB)

 参議院広報課に確かめたところ、「使い方などによって、許可、不許可などの判断をすることはありません」とのこと。議員が申請すれば、どんな用途でも使えるのだ。

 これで思い出すのは、2010年に蓮舫氏(当時・行政刷新相)が被写体となり、国会議事堂3階の渡り廊下で撮られたグラビア写真である。それはファッション誌「VOGUE NIPPON」(コンデナスト・ジャパン)に載ったが、着ている服のブランド名などが書かれており宣伝色の強いものだった。国会内では、私的な宣伝や営利目的の撮影は許可されていないため、議院運営委員会で問題となった。

 既得権益の象徴であるとして「NHKをぶっ壊す!」と叫んで当選した立花氏だが、国会議員としての特権を、自分のために使いすぎているのではないだろうか。

(文=深笛義也/ライター)

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