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米中貿易紛争の裏で、中国企業の技術力が上昇…ファーウェイ、早くも独自OSを発表

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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強化が求められる研究開発力の向上

 出光興産が高機能材分野での収益力を引き上げるために、研究開発の強化は欠かせない。いつ、どのようなかたちで研究開発が成果をもたらすか、予見は難しい。ただ、はっきりしていることは、あきらめず、研究開発を続けることが大切だということだ。その強化のために、他社との提携や買収など、ダイナミックな発想が用いられてもよい。

 現在、世界経済の変化のスピードは加速化している。米国と中国の貿易摩擦の激化により、“世界の工場”としての地位を高めてきた中国から、他のアジア新興国に各国企業の生産拠点が移っている。

 そのなかで鮮明となっていることが、中国企業の技術開発力の高まりだ。中国の通信大手ファーウェイは、自前のOSである「ハーモニー」を想定されていたよりも早く発表した。また、米アップルは中国の京東方科技集団(BOE)から有機ELパネルを調達する可能性が高まったと報じられている。BOEの有機ELパネルは、従来アップルが用いてきたサムスン製よりも安い。アップルは、米中の貿易摩擦の激化や日本の対韓輸出管理手続きの厳格化、さらにはスマートフォン市場における価格競争の激化に対応するために、サプライチェーンを再構築している。

 企業はサプライチェーンの再構築にかかる費用を負担しなければならない。費用の増加は収益を下押しする。費用削減のために、原材料などのサプライヤーに価格の引き下げを求める企業も増えるだろう。これは日本の企業にとってマイナスだ。

 一方、サプライチェーンの再編に伴い、日本の企業が、既存の取引先に加え、新しい企業との取引関係を構築する展開も考えられる。こうした変化に対応するために、さらに高度な素材など、他がうらやむ“モノ”を開発していくことが欠かせない。出光興産が石油化学分野の研究開発力を高め、さらにスピーディーに新しいモノの創造を目指すことを期待したい。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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