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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

30代独身女性、老後の不安から“割高な”新築マンションを買い陥った絶望的悲劇

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー
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「gettyimages」より

 日本の女性ファイナンシャルプランナー(FP)第1号として20年以上、個人の方々のお金の相談を受けている。お金の悩みが時代によって移り変わるのを、ずっと見てきた。最近の傾向として、お客さんの共通の悩みは「老後の不安」だ。原因は2つ。「人生100年」と「老後に2000万円」。

急に不安にさせられた人たち

 日本でリンダ・グラットン著の『ライフシフト』(東洋経済新報社)という本が発行されたのは2016年、友人に勧められてすぐに読んだ。英語の原書『The Shift』は2011年の出版だ。当時、私はアメリカに住んでおり、年に数回、仕事のために日本に来るというスタイルをとっていた。

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 実際にインターネットやEメール、スカイプなどを使って、タイムゾーンの違う人たちと時差を調整しながら仕事をしていたので、「こんな働き方は、数年前までできなかった」「働き方が根本的に変わってきている、すでに変わっている」と実感していた。今までのある種の経験は使い物にならなくなり、新しい知識やスキルを身に付け続けないと、世の中の変化についていけなくなるのは明らかだった。

 実は、人生100年という概念も目新しくはなかった。FPとして以前から「明日死んでも、120歳まで生きても満足できるマネーマネジメントを考えて実行しよう」と推奨してきていた。急に社会が変わったわけではないのに、「人生100年」「老後に2000万円」といった言葉やコンセプトが注目され、人々がショックを受けてオロオロするのがよくわかった。おかげで今、不安になった人たちが世の中にあふれている。あなたもそのひとりですか?

不安から逃れようとすると間違った判断をし、もっと悪くなる

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『50代のいま、やっておくべきお金のこと 新版』(中村芳子著/ダイヤモンド社)

 長年FPとしてお金のコンサルティングをしてきたので、不安になった人たちが不安から逃れようとして、間違った選択、間違った行動をし、以前より悪い状況になる事例をたくさん見てきた。たとえば、こんな具合だ。

(1)30代独身がマンションを買う

「結婚しないかもしれない」という不安を持ち始めた独身女性が30代でマンションを買う。年収もまだ低く、貯金も少ない。物件を見る目もない。営業マンの言うことをそのまま信じてしまう。その結果、狭くて立地も良くない割高の新築マンションを、無理な資金計画で買ってしまう。たとえば、1500万円の価値しかない狭いマンションを2000万円で買わされる。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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