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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

30代独身女性、老後の不安から“割高な”新築マンションを買い陥った絶望的悲劇

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

 すると、こんな不都合が待っている。

・購入後に住宅ローンの返済で、貯金ができなくなる。

・古くなるにつれ、不便さや狭さが気になり、住み心地に満足できなくなる。

・売ろうとしても、買った値段よりはるかに低い値段でしか売れない。

・住宅ローン返済が70歳まで続く。

・狭いので、恋人を呼んだり、家族や友人を泊めることもできない。

・退職する頃には古くなって、住み続けるのが難しくなる。売りにくい。

 老後の不安を解消したかったのに、老後へのマイナス要素を増やす結果になってしまうのだ。

 不安を元に行動すると、同じように悪い結果を招いてしまいがちだ。いくらでも例をあげられる。

(2)20代、30代で年金保険に入ってしまい、保険料が高額なので貯金ができない

(3)資格取得やスキルアップのために高額なセミナーをローンで受講し、返済で生活が苦しい

(4)老後のために資金を増やそうとハイリスクの投資(FXや先物取引など)で大損してしまう

(5)老後の不安から投資詐欺にひっかかり、有り金を奪われてしまう

ブームの不動産投資でカモにされる人たち

 ここに最近加わっているのが、サラリーマン向けの不動産投資。あなたは大丈夫だろうか?私のところにも「不動産投資を始めたい」「勧誘されてこんな投資をしてしまったが、大丈夫だろうか」という相談が増えている。そして大丈夫でないケースが多い。お話ししよう。

 不動産投資そのものは悪くない。株式投資が悪くないのと同じだ。ところが「株式投資は値下がりリスクがあるから怖い」という人たちが、株式投資よりもはるかに高額の不動産を、警戒なく契約をしている。びっくりだ。

 話を聞いてみると、営業マンのセールストークを鵜呑みにして、投資のリスクを認識していないまま買ってしまったケースが多い。株式投資は、株を買った日から価格の推移を見ることができる。値段が下がったらすぐわかる。心臓に良くない。しかし常に時価、その資産の現在価値がわかるという利点がある。

損をしていることに気がつきにくい不動産投資

 不動産は価格がわかりにくい。不動産の価値を割り出す手法はいくつかあるが、ほとんどの人が何も知らないで、勧められた物件を勧められた価格で、疑うことなく買っている。1500万円の価値のものを2000万円で買っても、それを売ろうとするまでは、高すぎる値段で買ったこと、買った時点ですでに数百万円の損をしていることに気がつかない。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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