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“勝ち組”無印良品、不振が深刻化で値下げ連発…良質な「100均」台頭で揺らぐ存在意義

文=藤野ゆり/清談社
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 突如発表された販売終了の理由について、良品計画は「ファミリーマート側の意向」と説明しているが、商品の売り上げ不振が影響したという事情もあるだろう。

「そもそも、ファミリーマートも無印良品も西友ストアから分離して生まれ、長きにわたり協力関係にあった間柄。しかし、ここにきてファミマ側が無印良品から手を引いたのは、今後の良品計画の伸びしろのなさを見越しての行動だと思います」(同)

ホテル事業は世界に向けた「大規模CM」

 そんななか、4月4日に良品計画は国内初のホテルとなる「MUJI HOTEL GINZA」をオープンした。国内での業績が停滞するなかで、ホテル事業は良品計画にどのような影響をもたらすのだろうか。

「無印ブランド強化のためにも、ホテルオープンは賢い選択だと思います。生活雑貨店が乱立し、今後の爆発的な販路拡大が期待できない一方で、訪日外国人の増加やオリンピック開催によるインバウンド需要など、日本のホテル事業はまだまだ開拓の余地がある。『無印良品』は世界に名が知られているだけに、外国人観光客に対しては大手ホテルよりも有利な状況にあるといえます」(同)

 MUJI HOTELの客室料金は、365日変動なしで1室1万4900円から。近隣のアパホテルとさして変わらない低価格でありながら、客室は無印良品の雑貨や家具で統一され、一般的なビジネスホテルとは一線を画したデザイン性を誇っている。

「MUJI HOTEL GINZAの客室は無印らしさを強調したシンプルなつくり。しかし、寒々しいビジネスホテルになっていないのは、良品計画がこれまで積み上げてきたプロダクトのデザイン性のおかげでしょう。客室のアメニティや備品の多くは無印で実際に販売されている商品なので、いわば客室そのものが広告塔。銀座という立地でもコンセプトをぶらさずに展開することで、MUJI HOTEL GINZAはブランド力強化に一役買っているわけです」(同)

 良品計画はすでに中国の深セン、北京にホテルをオープンさせており、銀座は3軒目にあたる。ホテルが入る読売並木通りビルは、1~5階を無印良品の店舗が占め、6階にホテルのフロント、7~10階が客室と、良品計画一色となっている。無印のホテル事業は、インバウンド需要が見込める上に大規模な宣伝も兼ねているわけだ。

「『無印良品銀座』の4月の来店客数は30万人を超え、順調な滑り出しです。訪日外国人に対して無印良品をアピールすることでグローバルな支持を獲得しつつ、ほかの雑貨ブランドと差をつける。そこで、冷え込みつつある国内消費をどれだけ取り返せるかどうかが勝負でしょう」(同)

 ファミリーマートという併走者を失ったものの、ホテル事業を本格化させる良品計画の戦略は、どう出るだろうか。

(文=藤野ゆり/清談社)

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