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ZOZO、ヤフーへ売却の裏に前澤氏の金欠問題か…同氏の不可解な株取引でZOZOが借金

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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ZOZOが身売りしたワケ

 ZOZOとしても、ヤフーからの送客が見込めることは大きい。ただ、成長に鈍化の兆しが見え始めたとはいえ、他社の傘下に入ってまで誘客を実現しなければならないかといえば、そうではないようにも思える。確かに、20年3月期第1四半期に年間購入者数が減少に転じたが、一時的なことかもしれないし、今後独力で伸ばせないとまでは必ずしも言い切れない。

 前澤氏にしても、23年に予定される月旅行への準備と新事業の立ち上げを理由にZOZOの経営から身を引き、株の大半を手放すというが、なぜこのタイミングなのか解せないものがある。

 なぜZOZOはヤフーの傘下に入る道を選び、前澤氏はその決断を下したのか。理由のひとつに、前澤氏の「金欠」が考えられる。

 前澤氏はバスキアの絵画を123億円で落札したり、豪華な食事を楽しむ様子をインスタグラムで公開するなど、巨額のお金を日常的に使うことで知られているが、そういった費用を借金で賄っているとの見方があるのだ。

 8月下旬に提出された大量保有報告書によると、前澤氏はZOZO株の約6割にあたる6500万株を国内外の金融機関に担保提供している。それにより借り入れをし、絵画の購入などに充てたとみられている。

 一方で、ZOZO株は少し前までは下落傾向が続いていた。それにより担保不足になり、追加の担保提供や担保処分を迫られた可能性がある。

 こうしたことから、前澤氏は所有するZOZO株の大半をヤフーに売却する決断を下したと考えられる。前澤氏はZOZO株を約1億1200万株(36.76%)保有しているが、30.37%分にあたる約9200万株を売却する方針だ。買い付け価格は1株2620円となるため、売却総額は約2400億円 にも上る。これを借り入れの返済に充てる可能性がある。もっとも、株価が暴落する前に売り抜けただけとも考えられる。

 ZOZOの株式をめぐっては、過去に解せない動きもあった。昨年5月下旬に提出された大量保有報告書によると、前澤氏は600万株を市場外でZOZOに売却している。売却額は約230億円となるが、この額が前澤氏のポケットに入った一方、ZOZOからは同額が消えることとなった。これを補うためか、同社は18年4~6月期に240億円の短期借入金を計上している。

 この株式売買の頃よりも現在の株価は低く、ZOZOは高値つかみの格好となっている。さらに短期借入金は220億円(19年6月末時点)が残ったままだ。残った社員にしてみれば後味の悪い置き土産といえるのかもしれない。また、前澤氏がこうした巨額の売却益を手にする一方で、ZOZOの経営を放棄するのは、社員を使い捨てたとの批判もある。もっとも、ヤフー傘下入りで今後の展望が開け、株価は上がっているので悪い話ではないのかもしれない。どう受けとるかは、人それぞれだろう。

 前澤氏は、良くも悪くもたくさんの話題を振りまき、ZOZOにたくさんの“遺産”を残してきた。その前澤氏が、経営から身を引く。それにより業績が良くなるのか悪くなるのか、新生ZOZOの真価が問われる。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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