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六代目山口組系移籍で注目「ゴン太会長」筆頭にビッグネームが集結する生野【沖田臥竜コラム】

文=沖田臥竜/作家
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大阪・生野のコリアンタウン

 大阪市生野区。この街には、裏社会のスターダムへと駆け上がった有名人が多く存在している。その代表格といえば、先日お伝えした通り、山口組分裂騒動の最中、神戸山口組系から六代目山口組系へと「今年最大級の大型移籍」を果たして注目を浴びる、「ゴン太会長」こと平野権太・権太会会長だろう【参照記事「山口組分裂騒動で注目の権太会長とは」】。


 その下の世代になると、「生野が生んだスーパースター」と自他共に認める、「文政」となっていく。一貫して、ヤクザ組織に属することなく、それでも裏社会では一目置かれている文政氏の詳細については、手前味噌になるが拙著『生野が生んだスーパースター 文政』や、その続編『尼崎の一番星たち』(いずれもサイゾー)を読んでほしい。

 そんな彼は現在、ある事件の捜査方針をめぐり、警察当局と対立を深めているという。「ワシがキップ(逮捕状)出せ言うたら、返事は『わかりました』でええんじゃ」。当局にも物言う。日常会話のすべてが絵になる男である。

 さらにその下の世代には「生野のヒサシ」、そして全国の旧車会を束ねあげた「ちしお」という有名人が存在している。

 腕力で無敵といわれたヒサシ氏は、有名組長の実子であった。去年8月、富田林署から脱走した容疑者に一般企業が懸賞金300万円を懸け、一躍、話題をさらったことがあった。その企業の社長こそが、ヒサシ氏なのである。

「とにかく、ヒサシくんにケンカで勝てる人間なんて見たことがない。それどころか、ヒサシくんに面と向かって口をきける同年代など、大阪にはいない」(地元関係者)

 その下の世代となるのが、ちしお氏である。

「若者たちの間ではカリスマ的存在で、これまで多くの旧車会のイベントを手がけてこられたことでも知られています」(フリーライター)

 生野を中心に関西のアウトローの間に名を轟かせるこの4人のビッグネーム、世代が違えど共通している点は多い。

 それは地元住民から恐れながらも、同時に多くの人々から愛されているということだ。アウトローの世界において、人々から恐れられることは必要不可欠である。同時に、愛されることもまた必要不可欠なのだ。ビッグネームになりたければ、恐れられながらも、人気がなければならない。だからこそ4人の周りには、いつも数多くの男たちが自然と集まっている。そして、その絆は何より固く結ばれているのだ。

 生野コリアタウンと呼ばれる商店街には、多くの在日韓国人、朝鮮人が商いをしており、日本語に混ざってハングル語が飛び交っている。現在では、韓流ブームの影響から観光地としても知られているのだが、地元民の結束は強い。そんな生野区には、ほかにも多くの有名人が誕生している。

 筆者は『生野が生んだスーパースター、文政』で、この生野を舞台にそうした有名人を登場させ、さまざまな人間模様を描いたが、そのために幾度となくこの街を訪ね、酒を飲み、韓国料理に舌鼓を打った。そして、同書刊行後は、本の営業のために、生野区にある書店をすべて回ったことがある。筆者にとっては処女作ゆえ、書店営業の経験も当然初めてということになる。大阪市内のできるだけ多くの書店を回り、本を店頭に置いてもらうよう頼んだが、愛想の悪い店やはっきりと断ってくる店も少なくなかった。しかし生野区の書店だけは、どこも温かく迎えてくれた。

「お兄ちゃんが『文政』を書いたんか。売れてるで〜」

 書店のおっちゃん、おばちゃんたちは、わざわざ作者が生野区まで来てくれたのかと、全員が全員、喜んでくれたのだ。筆者を温かく迎えてくれる場所。そんな生野にまた通いたくなったので、『生野が生んだスーパースター 文政』の第3弾への出版意欲が高まっている。現在、執筆中で年内には出版したい考えだ。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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