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食品業界を標的にした史上最大の企業恐喝「グリコ・森永事件」…今、振り返っても震撼!

文・構成=ミドルエッジ
食品業界を標的にした史上最大の企業恐喝「グリコ・森永事件」…今、振り返っても震撼!の画像1※参考画像:『グリコ・森永事件』新風舎文庫(amazonより)

 あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めた情報サイトが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。

 今回のテーマは、グリコ・森永事件。35年前に発生した「日本初の劇場型犯罪」といわれる同事件の顛末を紹介していきます。

日本列島を震撼させた「かい人21面相」

「江崎グリコゆるしたる」

 この文書がマスコミ宛てに送られたのが、今からちょうど35年前にあたる1984年6月のこと。送り主は「かい人21面相」。当時、日本中を震撼させた「グリコ・森永事件」の実行犯が使った名です。

 事の発端は、1984年3月18日。江崎グリコ社長・江崎勝久氏が覆面の男2人に誘拐されます。犯人グループは、現金10億円と金塊100キロを要求。その後、監禁された倉庫から江崎氏が自力で脱出したことにより、事件は収束するかと思われました。しかし、むしろこれ以降、犯行はエスカレート。江崎グリコへの再三の脅迫、マスコミへの「挑戦状」の送付、江崎グリコ社屋への放火と、犯人グループの反社会的行為は過激化の一途をたどりました。ちなみに、犯人グループが「かい人21面相」を名乗りだしたのは、2回目にマスコミへ宛てた挑戦状からです。

挑戦状には「グリコを たべて はかばへ行こう」と書かれていた

 そして5月10日、大手新聞各社へ「グリコの せい品に せいさんソーダ いれた」と書かれた挑戦状が届きます。その挑戦状には「グリコを たべて はかばへ行こう」などと挑発的な文言が記載されており、全国の小売店は江崎グリコ製品の撤去を余儀なくされることに。これにより江崎グリコが莫大な損失をこうむったのは、言うまでもありません。

 なお、グリコ・森永事件が日本犯罪史における「劇場型犯罪」の代表例としてよく語られる要因として、このマスメディアへ送付された挑戦状が大きく関係しています。事実、この挑戦状がメディアで報道されたのをきっかけに、日本国民はパニック状態に。その混乱を煽るかのようなテレビ、新聞、雑誌の報道合戦が続き、結果的に騒ぎを拡大させ、犯人の思惑に加担することになったという批判も根強くされているのです。

 しかし、事件は急展開を迎えます。翌6月に、かい人21面相から冒頭の「江崎グリコゆるしたる」と書かれた手紙がマスコミ宛てに届くのです。3カ月にわたった騒動がようやく終結しようとしている……当時、多くの人がそう思っていました。

捜査線上に浮かんだキツネ目の男

 ところが、今度は丸大食品に「グリコと同じ目にあいたくなかったら、5千万円用意しろ」という脅迫状が届きます。グリコに私怨があると思われていた犯人グループのまさかの標的変更に、世間は驚愕。警察が丸大社員になりすまして、5千万円の受け渡しに指定された場所へ行くと、そこには「キツネ目の男」が。男は丸大社員役の刑事たちを注意深く観察していたそうです。この時、現金受け渡し時に犯人グループを一網打尽にする予定でしたが、結局、犯人たちは所定の場所へ現れず。キツネ目の男も、現場にいた刑事に逮捕権限が与えられていなかったため、取り逃がしてしまいました。

 9月には森永製菓へ脅迫状が到着。翌10月に入ると、7日から10月13日にかけて、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県のスーパーから「どくいり きけん たべたら しぬで」と貼られた森永製品が発見されました。実際に菓子が調べられたところ、本当に青酸ソーダが混入されていたことが発覚。犯人の脅迫文が単なるこけおどしではないとわかると、日本列島はさらなる恐怖におびえることになるのでした。

1985年8月12日、「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」と終息宣言

 その後、ハウス食品や不二家、和歌山県の老舗和菓子会社・駿河屋もターゲットとし、無差別に脅迫状を送り続けたかい人21面相。しかし1985年8月7日、ハウス食品脅迫事件の際に、犯人を取り逃がした滋賀県警本部長が責任を感じ、自身の退職の日に焼身自殺をしてしまいます。この一件が直接的な引き金になったのかは定かではありませんが、直後の8月12日、犯人側から「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」という終息宣言が届き、以降、犯人の動きはパタリと止まったのでした。

 事件は、2000年2月13日にすべての事件の公訴時効が成立。犯人も事件の真相もいまだ闇の中です。

 この連載では、次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)

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