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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

大手銀行のATM激減で進行する“ずっと硬貨が下ろせない”問題が深刻化

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

“休眠硬貨”が大量発生か

 たかが1円、10円と笑ってはいけない。自分のお金なのに決して下ろせないお金があるという状況は正常とはいえない。自行ATMを廃止してコンビニATMに置き換えの動きは進んでいく。すると、今は普通に下ろせる1円単位の預金が1000円単位でないと受け付けられなくなるのだ。

 19年より発生している「休眠預金」を思い出してほしい。09年1月以降に10年間出し入れ等のない預貯金は「休眠預金等」として扱われることになった。いったんそうなると、「休眠預金等活用法」の定めにより預金保険機構に移管され、民間公益活動の促進に活用されることになる。

 もし、ずっと使っていない口座に数百円が残ったまま忘れていたとして、休眠預金になりそうだからとあわてても、ATMが対応していなければその残金は引き出せないことになる。この先、人員削減で銀行の支店がどんどん減り、自行ATMまで廃止されていけば、こうした「休眠硬貨」がどんどん発生することにならないか、と危惧するのだ。

 なお、いったん休眠預金化しても申し出をすれば取り戻すことはできる。しかし、数百円を取り戻し、またそれを下ろすためにいちいち手続きを取るかといえば、あきらめてしまう人も多いのではないだろうか。

ネット銀行の預金硬貨を下ろす方法

 現在でも、ネット銀行の預金を中心に、この「硬貨は下ろせません」問題は発生している。では、実際にそれを下ろしたいと思ったらどうすればいいのか。

 ひとつは、硬貨扱いのある自行ATMを持つ銀行の自分の口座に振り込む方法。給与口座が大手銀行という人は多いだろうから、現在のところ、これが一番有効だ。たとえば、セブン銀行に1621円の残高がある人は、三菱UFJ銀行の自分の口座に621円を振り込んで、三菱の自前ATMからそれを下ろすというやり方だ。

 また、逆に他行から差額を振り込んで残高が1000円単位になるようにする手もなくはない。ただし、どちらも振込手数料は発生するので、そこは注意しよう。一定回数振込手数料がかからない銀行をキープしておくのがベターだ。

 それ以外は、デビットカードをまめに利用し、なるべく数円単位まで使い切ることだろう。うまく偶然が働けば、タイミングよく1000円未満の残高がきれいになくなるかもしれない。かなりの幸運と計算が必要だけれども。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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