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日産・次期社長選び混迷…サントリー新浪社長も有力、仏政府と首相官邸の綱引き激化

文=有森隆/ジャーナリスト
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新浪剛史氏(写真:ロイター/アフロ)

 9月27日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は『日産、CEO候補に3人検討 サントリー新浪氏ら=関係者』と報じた。

 日産自動車は次期社長兼CEO(最高経営責任者)について内部昇格に固執。首相官邸の了解を取るのに必死、といわれている。経済産業相の菅原一秀氏は日産岩井(現双日)の出身。前任の安倍ベッタリの世耕弘成氏より「手ごわい」(日産の幹部)。

 日産の次期CEO選び、すなわち経営の主導権争いは、優れて政治問題。仏政府と官邸(=菅義偉官房長官)の綱引きとなっている。サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏は日産グルーバル本社が所在する横浜市の出身。新浪の父親が横浜港港湾関係の仕事のボスだった関係から、横浜市を地盤とする菅氏ともパイプがある。

 WSJの“3人のサムライ”に入っている関潤専務執行役員が次期CEOに一番近いのかもしれないが、候補者10人のリストに名前が入っている内田誠専務執行役員は菅原経産相と同じく日商岩井の出身。

「内田氏は西川廣人・前CEOと負けず劣らず人望がない。彼が次期CEOに決まれば、優秀な技術者が大量に日産を辞めることになる」(日産の幹部)

“2人の日商岩井出身者”の点と線はどうなっているのか、と気にする日産幹部もいるという。日産が経産省とルノーを説得できれば関氏が新しいCEOに昇格する、というのが最新情報だが、「一からの出直し」を強調するためには外部の大物経営者の招請が早道である。

(文=有森隆/ジャーナリスト)

有森隆/ジャーナリスト

有森隆/ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

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