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『国境を越えたスクラム』著者・山川徹氏インタビュー

海外代表となる日本人選手たちも…レベルアップする日本ラグビーとW杯の“見どころ”

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初戦の対ロシア戦でハットトリックを決め、一躍時の人となった松島幸太郎選手。父はジンバブエ人ジャーナリスト、母はNGO職員の日本人で、父の赴任先であった南アフリカで生まれた。現在26歳。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 ラグビーW杯日本大会が開幕し、2週間がたった。この間、特に日本中が大騒ぎとなった試合は、9月28日、静岡・エコパスタジアムで行なわれた日本対アイルランド戦だろう。日本が確実にペナルティゴール4本を決めた上、粘り強いディフェンスでアイルランドを2トライに抑え、19-12と下し、10月4日現在、日本はプールAの2位に位置している。

『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』(中央公論新社)の著作があるノンフィクションライターの山川徹氏に、日本代表チームにおける外国出身選手の多さについて話を聞いた前回のインタビュー「ラグビー日本代表は、なぜ31人中15人が外国人選手なのか?スポーツと国籍問題を考える」に続き、引き続き、今回のW杯の見どころ、そしてこれからの日本チームについて詳しい話を聞いた。

山川 徹(やまかわ・とおる)
ノンフィクションライター。1977年、山形県生まれ。東北学院大学法学部法律学科卒業後、國學院大學二部文学部史学科に編入。著作に、『捕るか護るか? クジラの問題~いまなお続く捕鯨の現場へ~』(2010年、技術評論社)、『カルピスをつくった男 三島海雲』(2018年、小学館)などがある。

日本に縁があるトンガ、多種多彩なプレーを繰り出すフィジーに注目

 まず、10月4日現在の全プールの順位を確認しよう。

【プールA】
1位アイルランド戦(得点11)、2位日本(得点9)、3位スコットランド(得点5)、4位サモア(得点5)、5位ロシア(得点0)

【プールB】
1位イタリア(得点10)、2位ニュージーランド(得点9)、3位南アフリカ(得点5)、4位ナミビア(得点0)、5位カナダ(得点0)

【プールC】
1位イングランド(得点10)、2位フランス(得点9)、3位アルゼンチン(得点4)、4位トンガ(得点0)、5位アメリカ(得点0)

【プールD】
1位ウェールズ(得点9)、2位フィジー(得点7)、3位オーストラリア(得点6)、4位ジョージア(得点5)、5位ウルグアイ(得点4)

 なかでも山川氏が注目しているのは、海鷲を意味する「イカレ・タヒ」の愛称で親しまれるプールCのトンガと、アクロバティックなパスと変幻自在のランニングでトライを量産するプールDのフィジーだという。

「過去に数多くのトンガ出身の選手が日本代表になったこともあり、個人的には日本の次にトンガを応援しています。また、トンガからはイングランド代表のPRマコ・ヴニポラ&NO8ビリー・ヴニポラ兄弟や、オーストラリア代表のPRタニエラ・トゥポウなど、優秀な選手が各国代表に散らばっています。一度、世界中のトンガ人選手を集めた代表チームを見てみたいくらいです」

「フィジーは、2016年リオデジャネイロオリンピックのセブンズ(7人制ラグビー)王者で、非常にトリッキーなプレースタイルは“フィジアン・マジック”と呼ばれています。1戦目のオーストラリア、2戦目のウルグアイと連敗したものの、どちらも接戦でした。まだフィジー戦を観たことない人は、ぜひ観てほしいですね」

 トンガは『ガリバー旅行記』における「巨人の国」のモデルともいわれ、伝統的に強靭な肉体を誇る選手たちが揃っている。

 スタイルは、FW、BKともにパワーを前面に出したプレーが特徴。闘争心むき出しで試合前に披露される戦いの儀式「シピ・タウ」も迫力満点で見逃せない。

 一方のフィジー代表は、自国の次に好きなチームとして挙げる人も多く、世界中のラグビーファンから愛されている。他チームよりも多種多様なパスやランを駆使するため、ラグビー初心者でも飽きずに試合を観戦できるだろう。

サモア戦は油断大敵

 幸先よく2連勝を果たした日本代表について、山川氏はこう語る。

「アイルランドに勝ったことで、プールA1位となり、日本チーム初の決勝トーナメント進出も現実味を帯びてきました。油断は禁物ですが、次のサモア戦は絶対落としてはいけない戦い。また予選最後のスコットランド戦は、いうまでもなく大盛り上がりするでしょう」

「仮に日本がプールAを1位通過となると、決勝トーナメントの初戦はルール上、プールBの2位チームが相手。プールBの1位はニュージーランドの可能性が高いので、となればプールBの2位は南アフリカが有力。W杯前の9月6日、埼玉県熊谷市で行なわれた対南アフリカのテストマッチでは約40点差がついてしまいましたが、この試合では日本代表はまだそれほど手の内を見せていませんし、思ったほどやられている感じもありませんでした。私の希望としては、前回に続く南アフリカとの対決を、今度は決勝トーナメントで見てみたいですね。今回は“奇跡の勝利”ではないことを証明する絶好のチャンスです」

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