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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

のど飴は単なる「食品」?一部商品に効能の根拠なし、合成甘味料で健康被害の恐れも

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト

 さらに、2005年にイタリアで行われた動物実験では、アスパルテームによって白血病やリンパ腫が発生することが認められ、人間が食品からとっている量に近い量でも異常が観察されました。

 なお、アスパルテームには必ず「L-フェニルアラニン化合物」という言葉が添えられていますが、フェニルケトン尿症(アミノ酸の一種のL-フェニルアラニンをうまく代謝できない体質)の子どもが摂ると、脳に障害が起こる可能性があるため、注意喚起の意味でこの言葉が必ず併記されているのです。

 スクラロースは、砂糖の約600倍の甘味がありますが、有機塩素化合物の一種であり、動物実験の結果から、免疫力を低下させることが懸念されています。試しにスクラロース入りののど飴を一粒舐めてみたところ、口内の粘膜が刺激されるような感覚を覚え、舌がややしびれるように感じました。

 アセスルファムKは、自然界には存在しない化学合成物質で、砂糖の約200倍の甘味があります。しかし、動物実験で肝臓にダメージを与えたり、リンパ球を減少させることがわかっています。

安心して舐められる製品は

 市販ののど飴には、これらの添加物を含む製品が多いため、毎日安心して舐められる製品は意外に少ないのです。そんななかで、おススメできる製品があります。ひとつは「はちみつ100%のキャンデー」(扇雀飴本舗)です。独特の技術によってハチミツを固形化したもので、ハチミツ以外には何も使っていません。

 ハチミツは、医学的にものどの炎症を抑えて咳を鎮めることが認められています。この製品の場合、固形化されたハチミツが徐々に溶けだすので、のど荒れを防止することが期待できます。ちなみに、私はこののど飴をよく舐めていますが、のど荒れが改善されることを実感しています。

 もうひとつは、「榮太樓 しょうがはちみつのど飴」(榮太樓總本鋪)です。原材料は、「水飴、グラニュー糖、蜂蜜<国産>、生姜パウダー(生姜<高知県産>)」で、添加物は使われていません。この製品にもハチミツが含まれるので、のど荒れを防止することが期待できます。

 のどが荒れていると気分がすぐれず、仕事や勉強に集中することが難しくなります。また、風邪をひきやすくなります。「のどが荒れて困る」という人は、うがいとともに安心できるのど飴でのどを潤し、荒れを防ぐようにしてみてはいかがでしょうか。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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