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トヨタ豊田社長、異例の自工会会長“ゴリ押し延長”…東京五輪で「世界のアキオ」アピール

文=河村靖史/ジャーナリスト
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ホンダにとっても渡りに船

 記者会見では中部地区のメディアの記者が、なぜ豊田会長が続投するのかと質問すると、本来なら来年5月に会長に就任するはずだった神子柴氏が「来年、東京五輪というビッグイヤーを迎えることもあり、これまで強力なリーダーシップ、求心力でやってきた」ことが理由と説明。あるジャーナリストは「質問者はどう見てもトヨタ側の仕込み。ホンダの神子柴氏に回答させることで、トヨタが任期延長を求めたのでなく、ホンダをはじめとする周囲から強く要請されたから、これを受けたと演出したかったのだろうが、魂胆が見え見えで会場はしらけきっていた」という。

 ただ、ホンダがトヨタの要請に簡単に応じたのも理由がある。自工会会長を出す自動車メーカーは、特段メリットはなく、広報体制などを含め全面的にバックアップすることを強いられ、企業側の負担も少なくない。「四輪車事業での利益率低迷などで業績が厳しいホンダとしては、トヨタが会長職を続けたいというなら『是非どうぞ』というのが本音」(業界筋)だからだ。

 9月26日の自工会の理事会では、西川廣人副会長(日産取締役)の辞任も了承された。西川氏が日産の社長兼CEOを辞任したためだ。かつては自工会の会長・副会長は、経済産業省の天下りを除いて、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車の大手5社のトップが務めてきた。三菱自は燃費不正問題を受けて当時のトップが自工会の副会長を辞任し、今回、日産も辞任した。このため、会長・副会長はトヨタと、トヨタと資本提携して関係の深いマツダ、そしてホンダの3社となった。今後、10月末までに決まる日産の新しいトップが副会長に就くかは未定だが、当面、「出たがり豊田会長」のやりたい放題が続くことになりそうだ。

(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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