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ウーバーイーツに苦情のオンパレード…配達員が料理投げ捨て→本部は「警察に連絡しろ」

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
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かつての「バイク便」と類似の関係

 確かに、ウーバー本部と配達員は、給料を払って働いてもらうという「雇用関係」にあるわけではなく、「料理等をお客さまに届ける」という業務を依頼されている関係(準委任関係)にあるので、ウーバー本部は、配達員が第三者に対し行った不法行為などの責任を負わないのが原則です。

 ところで、かつてバイク便の「本部」と「ドライバー」も、同じような問題がありました。当初、バイク便の本部は、個人のドライバーとは雇用契約にないから残業代なども支払わないし、第三者に対し行った不法行為(交通事故など)も責任を負わない、という態度をとっていましたが、多くの裁判や厚生労働省の指針などにより、今ではドライバーは、(1)配達に従事する時間を拘束されている(配達業務がなくても、何時から何時まではどこどこで待機しているようにといった指示がある)、(2)指揮命令に従っている(日報などの提出を求められたり、配送ルートなどが逐一指定されているなど)ことなどを理由に、「本部に雇用される労働者である」という判断がなされています。

 これと同じように、もし、ウーバーの配達員にも、(1)配達に従事する時間を拘束されている、(2)指揮命令に従っている、といった要素があるのであれば、やはり労働者と判断される可能性が高くなることと思われます。

 この場合、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」旨、規定する民法715条(使用者責任)が直接適用されないまでも、人を“雇用”して利益を得ているのであれば責任も負うべきであるとする「報償責任」の考え方から、ウーバー本部も配達員が第三者に対し行った不法行為(スープをマンション共用部に投げ捨てて汚すなどの行為)の責任を負うと考えることができます。

(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

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●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

 時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

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