山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

「自宅にテレビがない」が主流になる…格安大型モニターをPCにつないで視聴

TOKYO MX HP」より

 テレビ局TOKYO MX(以下、MX)の番組が世界中で見られている現状と、同局がヒット番組を連発している理由、そしてテレビとインターネットの融合について今回は解説します。

 MXの番組は全国で見ることができますが、MXの姿勢は視聴者優先であり、見る側に楽しんでもらえるようさまざまな工夫をしているように思えます。それゆえに次々とヒット番組を生み出しているのでしょう。

 MXの番組は自宅にテレビがなくても、インターネットで視聴することが可能ですが、我が家にはチューナー内蔵のテレビはなく、格安の大画面モニターをHDMIでノートPCとつないで視聴しています。数年のうちに、PCがチューナー内蔵型テレビと同じ感覚で使われるようになるでしょう。

 たとえばPCにチューナーボードを搭載してBCASを挿せば、PCでも簡単にテレビ番組を録画できます。外付けストレージも、アマゾンで4TBの商品を1万円台で購入できます。PCに付属USBケーブルでつなげれば完了です。さらにモニターとHDMIケーブルとパソコンがあれば、誰でも簡単につなぐことが可能です。

 こうしたかたちでテレビを見る人が増えれば、今後、視聴率というのがあまり意味を持たなくなるのではないでしょうか。

 ビデオリサーチ社調査による視聴率という意味では、MX番組の視聴率は明確にはわかりません。たとえば、放送内容が物議を醸したMXの『ニュース女子』は、DHCが製作した番組をMXが購入して放映しており、現在はネットのみでの放送となっていますが、それなりの視聴者数を獲得しているので、スポンサーのDHCとしてはCMが見られているから問題ないと判断しているのかもしれません。

 キー局の番組に出演する機会が少なくても、YouTubeなどでの積極的な露出によって国政選挙に当選する人も出てきています。「ネット先行、テレビ局後追い」という図式がさらに加速すると実感しています。今までの常識が覆っている時代です。われわれマーケッターもそのあたり気をつけてみていかなければなりません。

(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

※本稿はマーケッターとしての分析であり、なんら宗教的、政治的な意図はありません。

※本連載の過去記事はこちらから

https://biz-journal.jp/series/why-product-sell/

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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