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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

N国・立花が議員辞職→埼玉補選出馬…「上田前知事より立花の方がベター」との空気広まる

文=神澤志万/国会議員秘書
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NHKから国民を守る党の立花孝志党首(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 台風の動きが心配ですが、10月4日から第200回臨時国会が始まりました。衆議院では、初回の代表質問から本会議が1時間半も遅れるなどトラブル続きの幕開けになりました。今回は12月9日までの67日間という短い会期なので、大切な時間を無駄にしないで議論してほしいと思います。

 さて、7月の参議院議員選挙で初当選以来、話題を振りまき続けているNHKから国民を守る党(以下、N国)党首の立花孝志参議院議員が、また前代未聞の発表をしました。

 なんと、参議院議員を辞職して埼玉選挙区の参議院議員補欠選挙に出馬するそうで、10月8日に記者会見を開いたのです。補選は10月10日告示、27日投開票が予定されていますが、「参議院議員を辞めて、また参議院選挙に出る」って、どういうことなんでしょう?

異例の鞍替え出馬の真相

 この第一報が永田町を駆けめぐったのが、8日の午前10時ごろ。最初は国会女子たちも半信半疑でしたが、なんとガチでした。忙しい合間を縫って、神澤も会見を聞きました。

 何かとお騒がせの立花党首ですし、「参議院議員を辞めて参議院選挙に出馬」というわかりづらい行動について、「国民からの理解なんて得られないだろう」と思っていましたが、会見を聞いていて、ちょっと考えが変わりました。

 対立候補の前埼玉県知事の上田清司氏は71歳で、最終的には民主党から無所属でしたが、かつては自民党にも所属しており、衆議院議員選挙にも3回当選しています。初当選は1993年だそうで、政治キャリアは26年。神澤も国会議員時代の上田氏を存じ上げているので、自分のキャリアの長さにもちょっと焦ります。

 8月の埼玉県知事選挙で上田氏は5期目の出馬を断念しましたが、その理由は高齢や多選ではなく「誰も応援してくれないから」ということだったようです。この知事選で当選した大野元裕知事は参議院議員(2期目)でしたが、6月に立候補を表明して国民民主党に離党届を出し、議員辞職願を出したのは8月でした。辞職してしまうと7月の参院選中に議員の半数が欠けてしまうからですが、7月の辞職なら補選にかかる約22億円強の費用を抑えることができました。微妙なところです。

 大野知事の誕生もあって、与野党の動きも微妙です。今回の補選では、自民党は対抗馬の擁立を見送って自主投票にしたことから上田氏に票が流れると見られていますし、野党の大半も憲法改正派の上田氏を事実上支援するかたちになっています。この構図は、国政としては確かに妙ですよね。これについて、立花党首は会見で批判していて、神澤も「投票率が上がれば、ひょっとしたらひょっとするかも……」と印象が大きく変わりました。

 念のために書いておきますが、立花党首が候補者として素晴らしいのではなく、「上田さんでいいの?」という視点で、神澤も補選を検討するようになったということです。国会議員や知事など政治家の立場に固執する超タカ派の上田氏と、議員という身分にまったく固執していない(ように見せる)立花党首では、市民感情としては「立花さんのほうがベターじゃない?」と消極的選択をする可能性はあると感じました。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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