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プラスチック汚染が日本人を蝕む…コンビニ弁当を“レンチン”で化学物質が溶け出し体内に

文=真島加代/清談社

 人間の生殖機能に影響を及ぼす可能性があるということは、プラごみ問題は決して遠い海の話ではないということだ。

身近なマイクロプラスチックの発生源

 もちろん、「自分はプラごみを分別して捨てている」という人もいるだろう。しかし、マイクロプラスチックは人々の想像を超えて広がっている、と高田氏は話す。

「海に流れ着いているのは、人々が地上で使ったプラスチックです。分別し、ゴミ箱に捨てたと思っていても、レジ袋やペットボトルが風に飛ばされたり、カラスがいたずらをしたりなどの外的要因によって、プラごみは増え続けます。そのほかにも、ポリエステル製のTシャツやフリースなど化学繊維の衣類を洗濯したときに出る『洗濯くず』が下水処理をくぐり抜け、マイクロプラスチックとなって海を漂うこともあります」(同)

 プラスチック製の洗濯バサミや三角コーン、人工芝の足ふきマットなど屋外で雨風や紫外線にさらされたプラスチックが劣化し、風に乗って海にたどり着くケースもあるという。人々がプラスチック製品を使っている限り、マイクロプラスチックやプラごみの発生源は数限りなくあるのだ。

「日本はリサイクル技術が進んでいるから大丈夫という意見もありますが、リサイクルには手間やエネルギー、コストがかかります。日本ではペットボトルをリサイクルするための収集や運搬だけで年間250億円の費用がかかっており、汚れたプラごみは洗浄しなければリサイクルできません。実は、日本では使い捨てプラスチックのほとんどがリサイクルされずに焼却処分されています。この現状を見ても、リサイクルは根本的な解決策とはいえないでしょう」(同)

 そもそも、世界各国に比べて日本の脱プラスチック対策が非常に遅れている、と高田氏は指摘する。話題になった「レジ袋規制」は、すでに世界100カ国以上で実施されている施策だという。

「世界に遅れを取っていた日本がレジ袋の有料化やプラスチックの海洋流出ゼロを目標にしたことは、非常に意義があります。しかし、レジ袋をすべてなくしたとしても、全体の3割程度の削減にしかつながりません。今後は、国や企業がレジ袋だけでなく、“使い捨てプラスチック”の削減に本気で取り組む必要があります」(同)

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