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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

住宅購入、制度フル活用でむしろ消費増税後の今こそ得…だが「適用期限」に要注意

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
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 ほんとうに得するために、これらの制度をキチンと利用できる物件を選び、利用できる時期までに取得しなければなりません。そうしないと、消費税増税だけが重くのしかかってくることになります。

 どういうことなのでしょうか。図表2をご覧ください。

 まず、控除期間の延長によって消費税増税分を相殺できる制度設計になっている住宅ローン減税の控除期間延長は、2020年12月31日までに取得して、実際にその住まいに入居することが条件になっているのです。建売住宅なら完成済みで売り出されることが多いので、即入居可能ですから問題はありません。分譲マンションでも完成済みの物件なら建売住宅と同様です。

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メガマンションは控除期間延長の対象外に

 しかし、大型のマンションだと、販売開始から入居まで2年、3年とかかることがあります。そうなると、この入居時の期限にひっかかって、ローン減税拡充の恩恵に浴せなくなります。

 今年話題になった大型物件を例に挙げると、オリンピック選手村をリフォームして分譲する東京都中央区の「晴海フラッグ」は分譲住宅が4145戸、賃貸住宅が1487戸の大規模複合開発です。今年の7月から販売がスタートしましたが、その引渡しは2023年3月なのです。また、東京の山手線内の住宅としては最大規模といわれる総戸数1247戸の「白金ザ・スカイ」は今年10月からの販売開始予定ですが、やはり2023年3月の引渡しです。さらに、大阪市内最大規模で分譲戸数855戸の「シティタワー大阪本町」は、2019年12月から販売開始予定ですが、入居できるのは2022年4月になっています。

 住宅ローン減税の控除期間延長の適用期限は2021年12月入居までですから、22年3月引渡し予定の「シティタワー大阪本町」でも間に合いません。2023年引渡しの「白金ザ・スカイ」「晴海フラッグ」はいうまでもありません。

 住宅取得支援策を利用して、できるだけ得することを考えるなら、何よりも2020年12月末までに引渡しを受けられる物件を選択することが大切になります。

すまい給付金の適用期限にも間に合わない物件も

 次に、すまい給付金は2021年12月末までに引渡しを受けて、入居することが条件です。上記のマンションのように、2022年、2023年引渡しの物件はとても間に合いません。ただし、小規模、中規模のマンションであれば、十分に間に合うケースが多いでしょう。

 さらに、次世代住宅ポイントは今のところ2020年3月末までにポイントの発行申請を行うことが条件です。完成前でも申請できるので、青田売りのマンションなどでもOKなのですが、完了報告の期限も設定されていて、11階建て以上のマンションだと2021年9月30日まででとなっています。それ以降の引渡し、入居だと間に合わないことになります。

 それに対して、住宅取得等資金贈与の特例の非課税枠に関しては、「晴海フラッグ」などのように、引渡し時期がかなり先の物件でも大丈夫のようです。

どの制度を使いたいのかに合わせて購入を考える

 非課税枠が3000万円に拡充されるのは、図表2でみたように、2020年3月までに売買契約などを締結した住宅を取得する場合です。かなり差し迫っているように思いますが、それとは贈与時期とは別の話。2020年3月末までに契約し、2年後の2022年に贈与すれば、翌年の3月15日までに入居するか、入居することが確実であれば、この特例が適用されることになるのです。

 贈与時期に関する規定がないために、こうしたことが可能になるようです。メガマンションは高額の物件が多いだけに、両親や祖父母からの贈与を利用する人もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。贈与税の非課税枠はこのようにとりあえず2020年3月末までに契約しておけば、引渡しがかなり先になっても問題はありません。ぜひ有効活用していただきたいものです。

 そのほかの各種の取得支援策は、適用期間が限られていますから、何をどう活用したいのかを考慮しながら、それに合わせて取得時、入居時などを考えていく必要がありそうです。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

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