木下優樹菜、タピオカ店主へ恫喝メール、脅迫罪の可能性も…テレビ各局、一斉に起用自粛の動き

山岸弁護士の解説

 この木下優樹菜という人は、芸能人であることが、あたかも“偉い”“人の上にいる存在”と勘違いしているのでしょうか。

 さて、ツイッターで恫喝的な発言をしたとのことですが、この人の一連の言動を精査するに、「こっちも事務所総出でやります」「ばばあ」「週刊誌に姉がこういうめにあったって言えるから」という部分が問題となりそうです。

 まず、「こっちも事務所総出でやります」ですが、脅迫罪(2年以下の懲役又は30万円以下の罰金)に該当する可能性があるので検討します。

「脅迫罪」とは、一般の人が恐れるような言葉を使って、命や財産や名誉などに害を与えることを告知する行為を処罰するのですが、自分自身が害を与えることを告知するだけではなく、自分が指示・命令できるような他人が害を与えることを告知する場合も成立します。例えば、「オレの子分がお前を殺す」も脅迫罪となるわけです。

 では、「こっちも事務所総出でやります」がどうなるかですが、この発言の前の部分の「弁護士たてて、法的処理、いくらでもできるから」に続いているので「裁判などの法的手続きを事務所総出でやります」という意味であれば、裁判を始める権利は誰にもあるので脅迫罪にはなりません。

 もっとも、「裁判などの法的手続き」は、「事務所総出」で行うようなものではないので、一般的にはそういう意味には捉えられないかもしれませんね。一般の人からすれば、この人が所属する大手の芸能事務所が、総出で“何か”をやってくるのではと、恐れることはあり得る話です。

 したがって、脅迫罪が成立する可能性はゼロではありません。

 もっとも、この人が、芸能事務所に指示・命令をして“総出”で“何か”をできるほどの人物ではないなら成立しません(芸能に詳しくないので私はわかりません)。

 次に、「週刊誌に姉がこういうめにあったって言えるから」も脅迫罪が成立するかどうかが問題になります。

 週刊誌に“面白おかしく”書かれるのは名誉を害される可能性があるので、「私の力で週刊誌(雑誌社)を動かして、お前の店を悪く書いてやる」という言動は、一般の人にとっては、とても怖い思いをすることでしょう。したがって、脅迫罪が成立する可能性はゼロではありません。

 もっとも、果たしてこの人が週刊誌(雑誌社)を動かせるほど“大きな方”なのかどうかは、芸能に詳しくないので私はわかりませんが。

 最後に、「ばばあ」についてですが、「ばばあ」は人を悪く言う表現ですし、このツイッター上の発言が広く公開されているのであれば「公然と侮辱した」ものとして、侮辱罪(拘留(1日~30日まで間拘置する罰)または科料(1,000円~1万円までの金員を支払わせる罰))が成立することでしょう。

(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

 時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

 

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