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あの大物女優に薬物疑惑!麻薬取締部まで動いていた【沖田臥竜コラム】

文=沖田臥竜/作家
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有名人を次々と狙う厚生省麻薬取締部

 かつて、あるドラマの撮影現場で、関係者たちの間で噂になっていた話があった。それは、ドラマの主演女優とプロデューサーが不倫しているのではないかというものであった。噂の原因は、2人で楽屋に入ると、1時間も2時間も出てこないことがたびたびあったからだという。

「あくまで噂ですが、ドラマ関係者の間では誰もが知っている話です。もしかすると、プロデューサー自ら、主演女優に対して、演技指導などを熱心に行っていただけかもしれません。ただ、その回数があまりに多いと、誰しもが『あの2人はできているんじゃないか』ってなってきますよね」(芸能関係者)

 その女優につきまとう噂は、それだけにとどまらなかった。都内の飲食店で、一晩で考えられないような多額の飲食代をキャッシュで支払って見せたと思いきや、突如SNSを開始。これまでのイメージとは裏腹な、世間ずれした言動を行い炎上。すぐにSNSは閉鎖されたものの、イメージダウンは避けられなかった。

 そうしたなかで囁かれだしたのが、薬物疑惑であった。まことしやかに、彼女の逮捕の“Xデー”まで業界関係者の間では広まり始めたのである。当時、流布した情報では、彼女のほかに2名の大物女優の名前も取りざたされていた。だが、この2人は早々にシロのようだという話となり、最終的に厚生省麻薬取締部、通称「マトリ」が狙っているのは、彼女ということで落ち着いていくのだ。マトリまで動くということは、薬物疑惑が単なる業界内の噂にとどまらないレベルになっていたということである。

 だが結論からいえば、彼女は逮捕されなかった。

「業界内に広まっていたこの女優の疑惑ですが、マトリが動いているという情報すら本人サイドに届いていたようです。そうなると、仮に疑いが事実だったとしても、逮捕は困難となるでしょう。証拠隠滅などの対策が取られてしまうからです。マトリが大物を薬物疑惑で逮捕する際は、微塵も外部に情報を漏らすことなく、容疑者への逮捕は突然やってきます。マトリのターゲットにされているということでいえば、今回の女優に限らず、あの有名人がまさか……という話は結構ある。摘発はされませんでしたが、今回の話は信憑性が高かったんだと思います。事前に情報が漏れていなかったら、どうなっていたでしょうか」(芸能関係者)

 ちなみに、マトリの動きを早い時期にこの女優サイドに伝え、当局の捜査を阻止したのは、あるテレビ局の人間ではないかと噂されているという。その人物は当局に太いパイプがあるといわれており、そこから情報漏洩があったのではないかというのだ。

 真相はもちろんわからない。ただ、火のないところに煙は立たないといわれるように、マトリが動いたということは、確証に近い情報があったと考えるのが妥当ではないだろうか。このほかにも最近では、スポーツ界の大物の息子がマトリから家宅捜索をかけられるも、尿検査の結果がシロだったという話もある。

 薬物汚染が拡大していると思われるなか、当局もスケープゴート的に有名人を狙う傾向が強くなっているという。この女優が万が一にも薬物使用の経験があり、今回、運良く当局の捜査から逃れられたということであれば、薬物を断つ最後のチャンスを与えられたと考えるべきだろう。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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