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六代目山口組の主要事務所が次々と使用禁止状態に…髙山若頭出所にも影響必至

文=沖田臥竜/作家
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当局が動くきっかけとなった山健組系組員射殺事件の現場

 六代目山口組と神戸山口組の対立は、抗争状態として行政命令をかけられるだけの資料が整ったとして、兵庫県警は11日、神戸市灘区にある六代目山口組総本部をはじめとする関係先事務所など、同県内に存在する計11カ所に対して、捜査員180人体制で使用制限の仮命令をかけた。

 六代目山口組関係で総本部以外に使用制限を受けたのが、今年8月、発砲事件が起きた神戸市内にある同組の中核団体・弘道会の関連施設。神戸山口組関係では、神戸市二宮にある神戸山口組事務所、同組の中核団体・五代目山健組本部、山健組傘下組織である與組、宮鉄組、ほか5カ所。まずは仮命令が下されたが、今後はこれを受けた兵庫県公安委員会が15日以内に意見聴取の場を設置し、本格的な使用制限が出される見通しだ。

 加えて13日には、大阪府警が大阪市内にある弘道会傘下組織、山健組傘下組織の事務所など計3カ所に、愛知県警が名古屋市内にある弘道会本部事務所などに、岐阜県警は岐阜市内にある弘道会傘下組織の事務所に、使用制限をかけた。使用制限期間中には、組員たちがこれらの事務所へ立ち入ることなどが禁止される。

 さらに今後、特定抗争指定暴力団の指定に向けて、当局が動き出す可能性も十分に考えられる。特定抗争指定暴力団とは、指定暴力団のうち、抗争状態にあり市民生活に危害を加える可能性がある組織に対して、都道府県公安委員会が指定するもの。組員が5人以上集まったり、対立組織の事務所に近づいただけで逮捕されるなど、当局の取り締まりがより厳しくなるのだ。

 事務所の使用制限に加えて、特定抗争指定暴力団への指定……組織側にとっては甚大な影響を受けることになるになるが、こうした規制を招いた根拠となるのが、10日に神戸市内で起きた、弘道会系組織幹部による山健組系組員2名の射殺事件だろう【参考記事「山口組分裂騒動が本格抗争に発展か」)。この事件の犯行の動機が、8月に神戸市内にある弘道会関係施設で起きた発砲事件に対する報復だと、当局は考えているのではないか。

「すでに8月の発砲事件を受けて、当局は主要事務所への使用制限仮命令に向けた準備に入っていた可能性がある。今年4月に神戸市内で五代目山健組若頭が弘道会系組員に刺される事件が起きたが【参考記事「神戸山口組系・山健組若頭が刺される」】、捜査当局では8月の発砲事件をその報復と見ていたのではないか。だが犯人が逮捕されていなかったために、個人的な怨恨の線も捨てきれなかった。そうしたなかで今回は、弘道会系組員による山健組系組員射殺事件が起きた。もしかすると、射殺事件の容疑者から、8月に起きた事件の報復といった趣旨の供述をとれたのかもしれない」(事情通)

 つまり、報復の連鎖がすでに起こっており、六代目山口組と神戸山口組は抗争状態であると判断するに十分な材料が揃ったというわけだ。

 今回、六代目山口組総本部などが使用制限を受けたことで、分裂騒動の分岐点になるのではないかといわれている六代目山口組・髙山清司若頭の出所にも影響が出ることになる。

「今月18日に出所する予定だった髙山若頭は、収監されている府中刑務所から、そのまま六代目山口組総本部に向かう予定ではないかといわれていました。翌19日には、総本部に六代目山口組と友好関係にある他団体が訪問し、さらに20日には髙山若頭の出身母体となる弘道会本部に、同じ他団体が訪問するのではないかとみられていました。それが今回の使用制限で大幅に変更を余儀なくされたのです」(ジャーナリスト)

 神戸市花隈で放たれた銃弾は、思わぬ展開を招くことになってきている。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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