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木村隆志「現代放送のミカタ」

『まだ結婚できない男』阿部寛の本当のスゴさ…成否のカギを握る“女優3人”の演技

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト

 ただでさえ、確立され、評価もされた作品に途中参戦するのは難しく、吉田は夏川、深川は国仲、稲森は高島と直接的に比較されるなど、出演女優にとっては相当な難仕事。だからこそ、1話では経験豊富な吉田と稲森にフィーチャーして2対1の図式で阿部とガッチリからませ、一方で深川の出番を少なくしつつ、「ミステリアス」という視聴者の興味を引くような魅力を与えたのではないか。つまり、1話は途中参戦の3人にとって優しい脚本だったと言える。

 とりわけ、吉田の演じるまどかと桑野のやり取りは1話から際立っていた。

「ハッキリ言い返す」女性と合う桑野

 まどかの「『30代のうちに結婚できたら』なんて思っていたんですけど、30代って一番忙しくて仕事が充実する時期じゃないですか。気づいたら40になっていました」という言葉に必死で笑いをこらえる桑野。さらに、まどかが「まあ『仕事を優先させてきたからこそ、今こうやって独立して事務所を構えることができたんじゃないか』とは思っているんですけどね」と続けると、桑野は思わず「自分の状況を一般化することで責任を回避しようとするパターンか……」とつぶやいてしまう。

 これにまどかは怒り、「そういうことをつい不用意に口に出す方なんですね。普通は思っても言わないんですけど」とハッキリ言い返すと、桑野は「間違ったことは言ってない」とバッサリ。前作の夏美がそうだったように、まどかと桑野はどこか似た者同士であり、はっきり言い返すタイプの女性は相性がいいのだろう。今後、このような対立の「バチバチ」がいつ、どんなきっかけで恋の「ザワザワ」に変わるのかが見ものだ。

 稲森の演じる有希江も、「桑野から皮肉を言われない」「桑野のいいところを1人だけ理解している」「唯一の結婚・離婚経験者」という立ち位置で差別化され、何かとおいしいキャラクター。1話でも、そのキャラクターが桑野の新たな一面を引き出していた。

 離婚裁判の帰りに1人で泣きながら歩いていた有希江を見つけると、わざわざ声を優しくかけてタクシーに同乗させた桑野。その後、「そのうち来てください」と言われた有希江のカフェにすぐさま向かい、コーヒーの知識をひけらかすシーンもあった。

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