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『同期のサクラ』称賛と失望に評価二分の理由…脚本・遊川和彦の“作為”をどう見るか?

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同期のサクラ|日本テレビ」より

「『過保護のカホコ』制作チームが再集結!」、なかでも「高畑充希と遊川和彦が再タッグ」というトピックスはメディアが一斉に報じていた。さらに、「1話1年で10年間を描く」というトリッキーな構成も放送前から話題を集めたドラマ同期のサクラ』(日本テレビ系)。

 しかし、10月9日に放送された1話は視聴率8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と関係者が目を疑う惨敗。録画やネット視聴が増えた現在、視聴率はひとつの指標にすぎないとはいえ、これほど低い数字とは夢にも思っていなかっただろう。

 一方、物語に対するネット上の評判は、「さすが」という称賛と「またか」という失望の声が、ほぼ五分五分。ここでは、その理由と今後のポイントを挙げていきたい。

遊川和彦の作為を見抜く視聴者たち

 物語は2019年の病院からスタート。「重い脳挫傷で意識回復は難しい」という北野桜(高畑充希)に、同期の月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)が、「桜のおかげで変われた」「私たちはあなたがいない世界なんかに生きていたくない」と声をかけていた。

 ここで、視聴者の頭に「これは桜と同期の絆を描いて感動させる話なのか」「最後に桜は奇跡的に意識を回復するのかな」という8~9割方の結論が浮かぶ。

 まるで「これから感動的な青春群像劇が始まるので見てください」と説明するようなオープニングは、安心感を得たい保守的な視聴者にはいいものの、「この先がどうなるのかわからない」という連ドラらしさを求める視聴者には物足りないもの。近年、視聴率を確保するために、最初からあえてネタバレをするような連ドラが増えているが、「予定調和のドラマ」とみなされてしまうリスクも大きい。

 その直後、物語は10年前の2009年にさかのぼるのだが、ネット上の声を見て感じたのは、桜のキャラクター設定に引っかかる人の多さ。入社式で社長の祝辞にダメ出しし、完璧主義で休日も同期たちを振り回す桜の姿を見て、「また遊川和彦のドラマは空気を読めない、忖度しない変わり者のヒロインなのか」という声が目立っていたのだ。

 遊川和彦が日テレで手がけるドラマには、『女王の教室』『曲げられない女』『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』などの空気を読めない、忖度しない変わり者のヒロインが多い。もちろん、それを楽しみにしているファンがいるのだが、「またか」と思ってしまう人もいる。

 その気持ちに拍車をかけるのが、「納豆ごはんと味噌汁を食べる」「田舎の祖父とファックスでやり取りする」「祖父や島の人々のために橋を架けたいと話す」「島の洋品店で買った服を着ている」「土木部志望のため力持ちな一方、絵心がなく手先も不器用」「じいちゃんのつくったコロッケが食べてえ」など“いい子キャラ”をにおわせるシーンの数々。

 さらに、1話最後のセリフは「私には夢があります。故郷の島に橋を架けることです。私には夢があります。一生信じ合える仲間をつくることです。私には夢があります。その仲間とたくさんの人を幸せにする建物をつくることです。それだけはあきらめられないので、私は自分にしかできないことをやります」だった。

 これらを見て「あざとい」という声が飛び交ったのは、現在の視聴者が「作為を見抜く」という意味で、スタッフサイドを上回っていたからではないか。

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