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ポスト五輪の東京~2020年以降も勝つまち、負けるまち~ポスト五輪を待ち受ける23区の勝ち目、弱り目

東京23区、「勝ち組」「負け組」のえげつない現実…「西日本に若い女性が多い」にヒント

文=池田利道/東京23区研究所所長
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 以前指摘したように、どこに住むかを男性は実利重視で選び、女性はブランド重視で選ぶ。東日本であれ西日本であれ、実利主義者の男たちは、「より有利な学歴」「より良い就職」を求めて東京に集まる。一方、女性はブランド評価に東西の差が表れてくる。

 東日本は東京というナショナルブランドが絶対で、男性と同じように東京を目指す。これに対して「我が故郷こそが誇り」と考える西日本の女性は地元に残る人が多い。ブランド論に違和感があるなら、長い歴史の中で培われ、家庭や学校、地域での生活を通して育まれたベーシックな地域文化の存在が、両者の差の根底にあると言い直してもいい。

 観光振興も特産品の開発も祭りやイベントも、いずれも大切なことではある。しかし、地域の本質まで変えることはできない。それは方法論にすぎないからだ。プロ野球の広島東洋カープを応援するカープ女子を思い浮かべたほうが、はるかに実態に近い。カープ女子に、地域を変えるための本質的な要素が潜んでいる。筆者は本気でそう考えている。

「東京ひとり勝ち」の恐ろしい末路

 東京も地方もがんばったとしても、まだ未来への悩みは残る。人口減少が進む我が国は、どこかが伸びればどこかが縮むという「ゼロサム社会」への道を否応なく進んでいかざるを得ない。世界を見渡すと、処方箋は2つある。出生率を上げるか、移民を増やすかだ。

 我が国の出生率が、人口が増えも減りもしないボーダーラインとなる「人口置換水準(おおむね2.1)」を継続して下回るようになるのは1974年のこと。以後、半世紀近くにわたり、有効な手が打たれないまま今日に至っている。

 しかし、海外には低出生率を克服した国もある。その代表はフランス。多様な子育て支援策の展開や、社会の仕組みの変革などを同国の出生率回復の要因に挙げる説もあるが、これらもまた枝葉だ。もっとも本質的なことは、今や婚外子が6割にのぼることに象徴されるように、法律婚と事実婚の差を完全に撤廃したことにある。「結婚の概念を変える」という政府が発したメッセージを受け取った若者たちが、「時代が変わる」と共感したからこそ、出生率のV字回復をなし遂げることができた。

 筆者は若い人と会うたびに、「なぜ結婚しないのか」「なぜ子どもを産まないのか」と問いかけ続けている。経済的な余裕、保育所不足、イクメンが許されない社会の中での女性の過負担。答えはさまざまだが、共通しているのは未来に対する漠たる不安だ。それは、東京に人が集まり続ける理由とも根を同じくしている。

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