SBGなどから巨額の資金を調達し、インドのほか中国、東南アジア、米国、欧州、中東、日本へと事業を拡大。世界80カ国、800以上の都市で格安ホテルを展開している。孫社長は7月、法人顧客向け行事「ソフトバンクワールド2019」で講演。「OYOの創業者はまだ25歳。これから数カ月で世界最大のホテル王になる」と持ち上げた。「ホテル世界最大手、マリオット・インターナショナルや英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループを上回る客室数を誇る格安ホテルチェーンになる」と、お墨付きを与えたわけだ。現在でもマリオットに次いで部屋数では世界第2位、45万室超との試算もあるようだ。

OYOはSBGと組んで日本で格安ホテルを展開

 そのOYOが日本に上陸した。SBGとSVF、OYOは、今年3月、合弁会社オヨ・ホテルズジャパンを設立。AIを駆使する格安ホテルを日本で展開する。それに先立ち、オヨとSBG傘下のヤフー(19年10月からZホールディングス)は共同出資会社、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN(出資比率は不明)を設立し、今年3月から不動産賃貸仲介サービス、オヨ・ライフを開始した。

 敷金・礼金・仲介手数料は無料、契約手続きはすべてスマートフォンで完結。不動産会社の店舗に出向くことはおろか、契約書など紙でのやり取りも一切なし。ネットでホテルの宿泊予約をするように即座に部屋を借りられる時代が来たという触れ込みだ。

 OYOが違法建築で揺れるレオパレス21の買収に動くとの観測が株式市場を駆け巡っている。狙いはレオパレス21が大量に保有している賃貸物件のオーナーだ。既存のオーナーが管理会社から乗り換えることで管理戸数を増やす。そうなれば、不動産賃貸業界に“黒船来襲”となる。9月中旬、SBGはレオパレスの創業者が設立したMDIを支援することを決めたという。MDI支援がレオパレス救済に直結すると見る向きもある。

 需給に応じた柔軟な値付けで価格を変動させて収益を最大化する手法は、「ダイナミックプライシング」と呼ばれる。航空券販売では一般的だが、ホテルなど宿泊の分野では限定的だ。日本ではAIを活用するホテルチェーンでOYOが先鞭をつけたことになる。

 楽天がレッドドアーズに出資するのはAIを駆使して格安ホテルを束ねるノウハウを取り込むのが狙いだ。楽天自体も格安ホテルに進出するだろう。AIを最大限に活用する格安ホテルチェーンづくりは、始まったばかりだ。

(文=編集部)

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