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「作られた病気」で薬漬けにして、人々を殺す『医者の大罪』…近藤誠医師がまたも衝撃作を発表

取材/構成=兜森衛
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高血圧、糖尿病、早期がんは“作られた病気”

――いちばん大罪だと思うのは、なんですか?

近藤 患者の数が多いし、治療で死ぬ数もいちばん多いから、高血圧でしょうね。これまでの140未満に下げる基準でも、年間、数万人が降圧剤の副作用で脳梗塞になったり転倒したりして死んでいる。目標値が130まで下げられたので、さらにすごいことになりますよ。

――血圧は自分の年齢プラス90〜100でいいのですか?

近藤 そう。ほとんどの人は、その範囲に収まる。ときどきストレスのためにその範囲を超える人もいるけどね。でも、薬を飲むよりは危なくないんだよ。僕のワイフも40代のときに上が180で下が110を超え、同僚の医師に言われて薬をちょっと飲んだけど、調子が悪くなりすぐ自主的にやめた。それ以来、血圧は測っていないけど、30年たった今も元気です。

――降圧剤は、いきなり飲むのをやめると危険だと言われています。

近藤 それは降圧剤を一生続けさせたい医者たちがつくった都市伝説。薬をやめても血圧はゆっくり上がっていき、からだの調節システムが適当とみなす血圧に落ち着くだけ。特別の危険はありません。本でも示したように、薬で血圧を下げたら、脳梗塞などの副作用で死亡率が高くなるのだから、薬をやめてそういう危険から逃げられてよかった、と考えるべきでしょう。

――本書では、フィンランドで行われた比較試験が紹介されていましたが、「医療介入」を受けた患者グループのほうが、そうでない患者グループより総死亡者数が多くなったそうですね。

近藤 高血圧や糖尿病などを治療したら寿命が延びることを証明しようと思って実施したら、あにはからんや、逆効果になってしまって、試験を担当した研究者たちも驚いたんだよ。すごく丁寧に行われた比較試験だからね。向こうは日本と違って家庭医が決まっているから、彼らが試験の担当者となり、そのデータを中央に吸い上げて解析するわけ。結果が発表されたのは、「JAMA」という世界で3本の指に入る権威のある医学誌。15年間の総死亡数は医療介入したグループが46%も増えた。この結果は「上級医」なら知っているはずなんだけど、とにかく内容が全否定だからね。日本では“フィンランド症候群”と名づけて、あくまでフィンランドの特殊事情だと貶め、「下級医」や一般社会が気づかないようにした。“フィンランド症候群”なんて名前をつけたことからも、日本の上級医たちの意図が透けて見えるよね。

――医者として50年以上やってきて、いまの医療をどう感じていますか。

近藤 ろくでもない医者が増えた、ということかな。僕が30代のときに慶応医学部の入学金と授業料がバーンと上がってね。学生の質が落ちるよといったら、本当にその通りになった。ぼくらの時代は全国で700人に1人しか医学部に入学できなかったのが、もうすぐ100人に1人が医学部に入学してくる。そうなると質がさらに低下するのはもちろん、人口比で医者が増えるから、なんとしても病人をつくり出すしかなくなる。これまでだって、高血圧、糖尿病、早期がん、みんな“つくられた”病気だからね。

――日本人は病院も薬も大好きですからね。

近藤 心の芯まで染みついているから変えるのは難しいけど、なかには何かおかしいと感じている人たちもいる。僕はそういう人たちに向けて本を書いている。元気で健康だと感じているときに見つかった病気は忘れなさいと言っている。僕は自分の血圧も血糖値も知らないし、からだが不調なときもやり過ごすようにしている。数年前、帯状疱疹になってひと月くらい痛かったけど、なにもしないで自然に治るのを待った。薬を飲んだほうが長引くだろうと感じたし、患者の気持ちがわかるように医者として痛みを経験しておかないと、とも思った。

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